転職のプロに聞く!
転職を検討している方の中には「ハイクラス転職というワードを見かけたことがあり、実は気になっている」という方も多いはず。
今回の転職活動の歩きかたの特集は、このハイクラス転職を徹底的に解剖。ハイクラス転職に特化することで、数多くの転職を成功させているリクルートのハイクラス・エグゼクティブ向けの会員制転職サイト「リクルートダイレクトスカウト((旧キャリアカーバー))」の立ち上げメンバーでもある転職のプロ・山田大貴氏にインタビュー。
ハイクラス転職とは?という基本中の基本はもちろん、最新のハイクラス求人の動向と求職者の特徴、ハイクラス転職に成功する人、失敗する人の傾向まで詳しく伺ってきました。
ハイクラス転職を目指している方はもちろん、自分は対象外なのでは?と思っている方も考え方が大きく変わる可能性がある必見の内容になっています。
是非最後までチェックしてみてください。
山田 大貴 氏
株式会社リクルートキャリア
経営統括室 エージェントアライアンスユニット マーケット開発グループ マネージャー
※2019年9月取材時点の情報です
2009年新卒でリクルートエージェント(現:リクルートキャリア)に入社。
新規事業開発→インターネット業界担当の採用コンサルタントを経て、2014年サービスオープン時よりハイクラス向け転職サービス『リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)』の立ち上げを担当。転職エージェント、ヘッドハンター業界に精通している。
まずリクルートダイレクトスカウトの特徴を教えてください。リクルートには圧倒的な規模と転職支援実績を持つ転職支援サービス「リクルートエージェント」がありますが、リクルートダイレクトスカウトとのサービスの違いはどこにあるのでしょうか?
山田さんリクルートがこれまでに手掛けてきた転職支援サービスは、リクルートエージェント含め、マーケット規模が大きい層をターゲットにしたマッチングサービスがほとんどです。
これらのサービスは、年収で言うと350万円から600万円前後をメインターゲットにしています。例えば年収350万円の方が転職エージェントに登録すると、専任のアドバイザーからご希望に沿う多数の求人を紹介されると思います。
ではこの年収がグッとあがり年収800万円且つ課長職の求人になるとどうなるでしょうか?
企業内の年収構造、役職者の数をイメージしていただければわかるように、求人数は逆に減り、当該求人で求められるピンポイントの役割・ミッションを担え成果を出せる人材も少なくなります。つまり、高年収且つ役職者の方になると、お互いの求めるスキル・経験や諸条件がより細かく、針の穴のような点と点でマッチングしていくことになるのです。
リクルートダイレクトスカウトは、この層にフォーカスしたマッチングを行っており、これがリクルートエージェントとの大きな違いであり、強みです。またリクルートダイレクトスカウトは、あくまで転職を検討しているハイクラス人材が集まるプラットフォームという位置づけで、実際に求職者をスカウトするのは、この層の転職支援に強みがあるヘッドハンターという点も、大きな特徴と言えます。
編集部リクルートエージェントとはそもそもビジネス形態から違うということですね。ちなみにリクルートエージェントが、リクルートダイレクトスカウトを利用することはあるのでしょうか?
山田さんリクルートエージェントにも年収800万円を超えるハイクラス転職を支援する部署があり、その部署のコンサルタントもリクルートダイレクトスカウトを利用しています。また、リクルートエージェントの他に、リクルートグループに存在するエグゼクティブ・外資系企業勤務者向けの複数の人材紹介会社も、リクルートダイレクトスカウトを利用しています。ハイクラス層向けに人材紹介事業を行う約200社以上のヘッドハンターに、サービス内容はもちろん競合しますが多数ご利用いただいています。
リクルートダイレクトスカウトには、「納得感のある転職成功者の数を増やす」というコンセプトがあります。
現在リクルートダイレクトスカウトにご登録いただいている1,800名を超えるヘッドハンターは、経験やスキルを元に厳格な審査を通過した方々です。点と点でのマッチングが求められる難易度の高いハイクラス転職に一丸となって取り組み、「転職して良かった!」と思っていただける方を増やすこと、それが我々の目標です。
リクルートダイレクトスカウトはハイクラス転職に強みがあるということですが、ハイクラス転職の定義について、具体的に教えてください。年収や役職の目安はあるのでしょうか?
山田さんハイクラス転職の定義は、明確にこれというものが決まっている訳ではなく、複数の要素で判断しています。
評価軸を見ても、年収や役職、業種、職種、地域性など様々な要素を考慮する必要があり、一つに絞ることはできませんが、首都圏に限って言えば、年収800万円を一つの目安にしています。
また、年収ではなく、課長職や部長職といった役職で定義するケースも少なくありません。
ハイクラス転職という言葉にあまり身構えず、年収や役職を一つの目安くらいに考えておくと良いのではないでしょうか。
編集部言葉がそこまで明確に定義されている訳ではないということですね。ちなみにリクルートダイレクトスカウトが取り扱う求人の年収に下限はありますか?
山田さんリクルートダイレクトスカウトで取り扱う求人の年収に関しては、600万円を下限にしています。実際にヘッドハンターから求職者に届くスカウトも年収800万円以上のものが半数を超えているのが現状です。
編集部日本人の平均年収が約432万円(※1)であることを考えると、リクルートダイレクトスカウトで取り扱う年収はずいぶん高いですね。ちなみに年収550万円の人が会員登録することはできますか?また最高だと、どれ位の年収で転職が決まるものなのでしょうか?
山田さん年収550万円の方でももちろんご登録いただけます。大切なのはその方がこれまでに築いてきたキャリアとスキルセットです。その方が年収600万円に達するだけのキャリアとスキルセットをお持ちであれば、ヘッドハンターから好条件のオファーが届くはずです。
好条件での転職事例に関してですが、豊富な役員経験をお持ちの方で、約5,000万円という年俸で転職されたケースがあります。
他社で通用するビジネススキル・キャリアを積み上げている方であれば、リクルートダイレクトスカウトに登録しているヘッドハンターから、好条件の求人を引き出せる可能性は高いでしょう。
逆に、年齢が高い方に多い傾向がありますが、自社内のみで通用するスキルしか持ち合わせていない場合、転職では年収が下がるケースがあります。
現在のハイクラス求人の動向はいかがでしょう?30代、40代など年代による違いはありますか?
山田さんハイクラス求人の動向ですが、企業からの採用意欲は旺盛で、転職決定数は前期比で160%増と好調に推移しています。ただハイクラス求人と一言で言ってもその中身は大きく異なります。
リクルートダイレクトスカウトでは、バラエティ豊かな業界の案件をヘッドハンターからご紹介できることが一つの特徴ですが、例えば成長著しいベンチャー企業が、大きく成長する過程で社内統制に長けた大企業経験者を募集するケースもあれば、大手企業が新事業を手掛けるために社内分社化し、ベンチャー経験豊富な人材を募集するケースもあります。
その他にもオーナー企業の事業継承に伴う人材募集や、人材の流動性が高い外資系企業からの引き合いも豊富です。
企業のライフサイクルは年々短くなっており、新しいことにチャレンジしていかなければ、未来は開けません。そして新しいチャレンジをするとなると、立ち上げフェーズ、成長フェーズ、安定フェーズを経る必要があり、フェーズ毎に必要となる人材が異なります。
企業はそれぞれのフェーズに合わせて、必要なスキル・経験をもつハイクラス人材を求めているのです。
世の中の流れがそう簡単に変わらない以上、企業が転職市場でハイクラス人材を求める今の流れは今後も変わらないでしょう。
次にハイクラス求人の年代による違いですが、30代半ばから40代の求人需要が最も豊富です。ただ20代で決まるケースもあれば、50代・60代で決まるケースもあります。
例えば20代でもコンサルティングファームでバリバリやっていたというような人材は、引く手あまたですね。
年代が上がり、年収が高くなっていくと、企業が求職者に求める経験やミッションも変わっていくため、点と点でのマッチングがより求められることになります。
この点と点でのマッチングこそ、ヘッドハンターが最も得意とするところです。社外でも転用できる、再現性のある強み・スキル・経験をお持ちの方は、年代を問わず、是非リクルートダイレクトスカウトへご登録ください。
編集部社外でも通用するキャリアを積んできた人材であれば、年代関係なく企業からの需要があるということですね。ちなみにハイクラス転職を希望する求職者の方にも何か特徴はあるのでしょうか?
山田さん事業規模で言うと大企業の方の登録が多いですね。業界で言うと金融、IT、コンサルなど、年収の水準が高く、人材の流動性が高い業界の方が多い傾向があります。
ハイクラス転職と聞くと、登録を躊躇される方がいらっしゃいますが、ベンチャー企業が大企業でキャリアを積んできた人を求めているケースもあれば、大企業がベンチャー企業でキャリアを積んできた人材を求めているケースも少なくありません。
大企業で働かれている方の中には、培ってきたキャリアを活かす場がない、一方でベンチャー企業で働かれてきた方の中には、もう一度成長フェーズの企業でチャレンジしてみたいなど、「新しい環境で経験を活かしたい」と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そういう方は、この機会にハイクラス転職を検討してみてはいかがでしょう?求人企業の中には、あなたのキャリアや培ってきたスキルを求めているところが必ずあります。
現在の職場で不満を感じながら働き続けるのではなく、新しい環境でこれまで培ってきたキャリアやスキルを最大限活用してみてはいかがでしょう。
残りの会社員人生をどう生きていくのか、選ぶのは自分自身です。
一定のキャリアを築いてきたからこそ、転職に対する不安を持つ方も多いのではないかと思います。ハイクラス転職に失敗する人、ハイクラス転職に成功する人に傾向があれば、是非教えてください。
山田さんハイクラス転職は点と点でマッチングを行うことから、年収や働く場所等、目先の条件面を気にし過ぎると、転職がなかなか決まらない傾向があります。
例えば、大企業からベンチャーへ転職される方で、働く場所にこだわり、求人オファーを見送り続けている方がいたとします。その方には「あなたがやりたかった仕事は、そのオフィス環境でなければできないのか?」ということをもう一度考えてみていただきたいです。
年収にこだわり過ぎる方には、「あなたが求めているのは本当に高い年収なのか?」ということをもう一度考えてみると良いでしょう。
これはハイクラス転職に限ったことではありませんが、どんなに素晴らしい職場へ転職したとしても100%満足するということはまずありません。
自身が「本当に大事なこと」を見極めることが、ハイクラス転職での失敗を防ぐ大切なポイントです。
ハイクラス転職に成功する人は、例外なくそれが明確になっています。
ちなみに自分自身の本当に大事なことは、意外と自分一人では気付けません。その際、是非活用していただきたいのが、これまでのキャリアを第三者視点で客観的に評価し、最適な職場を提案してくれるヘッドハンターの存在です。
ヘッドハンターにも一人一人個性と得意領域があります。例えば、成長著しいベンチャー企業の求人に強い方、大企業の求人に強い方、ワークライフバランスを重視している方等、リクルートダイレクトスカウトで活躍しているヘッドハンターを見ても、一人として同じ人はいません。
企業で働いていると合う上司、合わない上司がいるように、ヘッドハンターにも相性があります。
ハイクラス転職を目指す方は、「この人にキャリアの相談をしたい!この人なら信頼できる」と思えるヘッドハンターを見つけることが、転職成功への近道です。
リクルートダイレクトスカウトであれば、ヘッドハンターAさんが合わなければ、ヘッドハンターBさんと相談することもできるので、ご自身のポリシーと合致するパートナーを見つけ、ハイクラス転職を成功させていただければと思います。
最後に、ハイクラス転職を目指している方へメッセージをお願いします。
年収が高い方や、役職者になればなるほど、転職市場で次にその方が行きたいと思う求人がなかなか見つからないケースがあります。
客観的に見て、無茶な要求をしていないのであれば、そのことを悲観する必要はありません。なぜなら、その求人がそれだけ希少で、なかなか転職市場には出てこない可能性があるからです。
そういう転職市場にはなかなか出てこない求人をヘッドハンターは企業から預かっています。より経営層と繋がりが深いヘッドハンターであれば、企業の経営・組織課題に照らして求人やポジションを作り出すことも可能です。
ネット上にある求人が全てではありません。是非リクルートダイレクトスカウトのサービスを活用して、良いヘッドハンターに出会い、納得感のあるハイクラス転職を成功させましょう!
リクルートキャリアが運営するハイクラス・エグゼクティブに特化した会員制転職サイト。取り扱う求人は全て年収600万円以上、なかには4千万円を超える非公開求人も。リクルートダイレクトスカウトに無料会員登録することで、ハイクラス転職に強い1,800名を超えるヘッドハンターからスカウトを受けることができる。ハイクラス転職を目指すのであれば、登録しておくべきサービスであることは間違いない。