ケース別転職対策
引退後に成功する人、失敗する人の違いとは
学生・社会人と長年スポーツに打ち込んできたアスリートが、年齢や怪我などが原因で、引退する時期になり考え始める「セカンドキャリア」。
これから第二の人生を歩み始めるアスリートの中には、以下のような悩みを持つ人も多いでしょう。
「引退しても、やりたいことがない」
「競技に未練があり、セカンドキャリアを考える余裕がない。ただ将来に漠然とした不安がある」
「引退後そのまま指導者になって生きていくのか?」
実は筆者も元アスリートで、陸上競技を10年以上続けた経験があります。そして現役時代の終盤は、上記のような悩みを抱きつつ、競技に取り組んでいました。振り返ってみると、目標に向かい競技に取り組んだ経験には大きな価値があり、その後の仕事をはじめ、人生を豊かにするヒントがちりばめられていた時間でした。
引退後のセカンドキャリアで上手く人とそうでない人には、考え方や価値観から生まれる行動の差が明確です。本記事では、筆者の経験も踏まえ、成功するセカンドキャリアを歩むためのノウハウを解説します。
アスリートとして活躍中の方は、引退するまでは、悔いのない自分の競技生活を送ることが最優先。最後までベストを尽くした事実が、引退後あなたの人生を良い方向に導いてくれるでしょう。
セカンドキャリアを歩み出すきっかけとして、本記事が参考となれば幸いです。
アスリートが引退して抱える不安はそれぞれ異なりますが、1つ1つ頭の中で整理しながら、不安を解消していくことが大切なのは、全員同じです。
この不安に対してどう向き合うかが、セカンドキャリアを成功させるためのキーポイント。本章では、上記で挙げた不安について解説します。
自分の競技以上に熱中し続けられるものがない
「やりたいことがない」、「自分に向いていることが分からない」という人は多いです。
また、長年、集中して取り組んできた競技を終えてしまうと、燃え尽き症候群のように、しばらくやる気がなくなり、気分が落ち込んでしまう人も中にはいるでしょう。
引退後をサポートしてくれる人がいない
現役の時は、コーチやファンをはじめ、サポートしてくれる人がいるものですが、引退後に行動を起こす際は、一人で計画を立て、実行する必要があります。時に失敗し、孤独感を感じることもあるでしょう。
やりたいことはいくつかあるが、スキルや経験がない
アスリートの中には、引退後のキャリアの方向性を、現役の時から模索している人もいます。やりたいことはあるが、スキルや経験が不足しているため、なかなか最初の1歩踏み出せない人も多いはず。どんな選択が自分にとって最良なのか悩み、考えているうちに不安が大きくなってしまうこともあるでしょう。
セカンドキャリアに不安を感じるのは誰もが同じですが、その後のキャリア構築に成功する人と、失敗してしまう人がいるのもまた事実です。本チャプターでは、その違いを解説します。
セカンドキャリアの構築に成功する人の特徴
セカンドキャリアの構築に失敗する人の特徴
セカンドキャリアの構築に成功する人の共通点は、自分のこれまでの人生を振り返りつつ、謙虚でいられる人です。競技を引退し、また0から新しい人生をスタートさせるメンタリティを保ちつつ、貪欲に活動していくメンタリティを持っている人は、セカンドキャリアを上手く構築できるでしょう。
一方で、セカンドキャリアの構築に失敗してしまう人は、自分の価値観にこだわりすぎ、実現が難しい目標設定をしてしまう傾向があります。友人や家族、転職支援サービスのサポートを上手く活用し、周囲の意見を取り入れつつ、正しく自己認識をすることからセカンドキャリアをスタートしましょう。
仕事の見つけ方は多種多様です。「やりたい」という軸だけではなく、自分が「得意」な軸も優先し、考えることをおすすめします。
理由は、「やりたいこと」はその時々で変化するから。自分の気持ち次第で、ジョブホッパーのように仕事を変えてしまうと、キャリアを構築できません。長期的に仕事を継続させ、キャリアを築いていくには、得意なことを深掘りし、結果を出せる仕事を見つけることが重要です。
仕事は競技と同様に、結果を出すことで、楽しさも増していきます。一見、自分のやりたくないことでも、成果を出すことで、自分の天職にできる可能性があります。
企業への就職(転職)を目指すのであれば、自分の希望だけではなく、雇用する企業の視点を押さえておくことも重要です。企業がアスリートに何を求めているのかを理解することは、アスリート経験がどんなことに活きるのかを模索する上でのヒントになるでしょう。
新しい社風・文化の醸成
企業がアスリートを採用する際、期待することの1つが、「新しい社風や文化を築くきっかけとなってほしい」という思いです。
企業は元アスリート社員に、業務の生産性向上や、社員のモチベーションアップに繋がる新しい発想を求めています。
協調性や礼儀正しさなどの人間性
ひたむきに目標に向かって競技生活を送ってきたアスリートには、社会人に求められる素養が備わっているはず。企業は協調性や礼儀正しさ等、アスリートの人間性を評価し、将来の活躍に期待を込め採用しています。
筆者の周囲には、アスリート出身で活躍している人がたくさんいます。彼ら(彼女ら)のキャリアを踏まえ、元アスリートにおすすめの職種をいくつかご紹介します。
スポーツ指導者・学校教員
まず1つ目は、スポーツ指導者・学校教員。スポーツ指導者・学校教育であれば、競技で培った経験を後輩に伝えることができます。元アスリートの経験を活かし、子供たちの人間性を育み、成長を促す仕事は、これまでの経験が活き、遣り甲斐もあるでしょう。
営業職
2つ目は営業職です。営業職をおすすめする理由は、目標達成に向けて活動していくプロセスが、アスリートの競技力を上げるためのプロセスと、類似する部分が大きいためです。目標を設定しPDCAサイクルを回す過程は、日頃の練習に向き合ってきた経験を活かすことができ、早期で成果を出すこともできる職種です。
歩合制の営業であれば、待遇面も成果に応じて良くなるので、仕事のモチベーション向上に繋がるでしょう。
起業
リスクが伴うものの、起業する人も一定数います。アスリートの経験を活かし社会貢献をしたい人は、挑戦する価値があります
起業する際は、セカンドキャリアのビジョンや達成したい目標を明確化しつつ、準備を入念に行う必要があります。失敗しても立ち上がれるマインドと明確にやりたいことがある方は、起業も選択肢の1つです。
アスリートがセカンドキャリアを考える際は、アスリート専門の就職・転職支援サービスを上手く活用すると良いでしょう。
自分を見つめ直したい人にとって、自己分析やキャリアの棚卸しの方法などを、転職のプロ「転職エージェントのキャリアアドバイザー」にことで、新たな可能性が広がります。
以下では、『転職活動の歩きかた』編集部が厳選したおすすめの転職エージェントをご紹介します。
「スポナビアスリート」は、完全無料でエージェントの専任サポートを受けられるキャリア支援サービスです。筆者も利用経験がありますが、アスリートの経験や今後の方向性を含めて相談可能です。就職・転職に向けて何から取り組めば良いかわからないアスリートにおすすめのサービスです。
「アスリートエージェント」は、アスリート・体育会人材に特化した就職支援サービスです。人材紹介だけでなくビジネス教育にも注力しており、企業に求められる人間性やスキルの育成をすることで、アスリートの可能性を広げる事業を展開。アスリートや体育会人材向けに、キャリアに関する情報も発信しており、情報収集目的に利用してみるのも良いでしょう。
「マイナビ アスリートキャリア」は、人材業界のリーディングカンパニー「マイナビグループ」の知見やノウハウを活かしたアスリート専門の就職支援サービスです。アスリートとしての活動状況を踏まえ、アドバイザーとの個別面談から就職先への入社まで、無料でフルサポート。競技と仕事を両立するデュアルキャリアの実現に向けた支援も充実しています。
本記事では、アスリートのセカンドキャリアに注目し、成功と失敗を分けるものやおすすめの仕事について解説しました。仕事は、将来のビジョンや現実を踏まえた目標を達成するための手段です。
アスリートの引退は、今後の人生を左右するターニングポイントになるため、今後どのようなことを実現したいのかを明確にする時間をまず作りましょう。その上で、どのような選択をするのかを考え抜くことが大切です。
セカンドキャリアは時間の使い方次第で、自分の人生をさらに豊かにしてくれます。アスリートとして活躍してきた自分に誇りを持ち、これからの人生を歩んでいきましょう!
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