ケース別転職対策
未経験から転職する方法とおすすめの転職エージェント
ITコンサルタントは企業が抱える経営上・業務上の課題を、IT(情報技術)を利用して解決する職業です。
たとえば、業務を紙ベースで行っている企業に対してITツールやクラウド環境の導入を提案し業務効率化を図ることや、企業のサプライチェーン(商品の資材供給から製造・在庫管理・販売までのプロセス)をITによって一元管理する手法を策定することなどが、ITコンサルタントの担う役割の1つ。
特に近年では、あらゆる業界・企業において業務効率アップのための電子化や自動化、DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れが加速しており、ITコンサルタントのニーズが高まっています。
ビジネスの最先端で活躍したい人、SEやプロジェクトマネジャーの次のステップとしてキャリアアップ&年収アップを図りたい人、組織の業務改善や収益アップなどの問題解決にやりがいを感じる人にとって、ITコンサルタントは目指す価値のある仕事と言って良いでしょう。
そこで今回は「未経験からITコンサルタントに転職する方法」をテーマに、ITコンサルタントの職種や必要なスキル&資格、ITコンサルタントの転職サポートに強い転職エージェント等について解説します
一口にITコンサルタントといっても、コンサルティング分野や実質的な業務内容等によって複数の職種に分かれます。それぞれの業務領域が重なるケースも多く、すべてをITコンサルタントと呼称するケースもあれば、個々の違いに応じて呼び分けるケースも。
ここでは、広義にITコンサルタントと呼ばれる4種類の職種と、その仕事内容について見ていきます。
IT戦略コンサルタント
企業の経営戦略をヒアリング&分析し、解決すべき課題の抽出とITを活用した解決案の策定を行う。個々の企業が所属する業界や、現状の業務フローに対する深い理解が求められるほか、最適なIT戦略を立案するためのIT分野の専門知識、ITシステム導入・活用まで具体的なロードマップを描き、実行する力が必要とされる。IT系や総合系のコンサルティングファームに所属するケースが多い。
ERPコンサルタント
ITコンサルタントの中でも、特に企業の資源計画(ERP※)部分を担う職種。企業が抱える課題を明確にした上で、必要なITシステムの要件定義や設計、開発、納品までのプロジェクト管理を行う。コンサルティングファームのほか、大手のSIerやパッケージベンダーからも求人が出ている。ベンダーに所属するERPコンサルタントの場合、自社のERPパッケージ(or サービス)のカスタマイズと導入を手がけるケースが多い。
CRMコンサルタント
企業の顧客戦略(CRM※)部分のコンサルティングを担う職種。企業が持つ顧客情報を分析し、戦略上・業務上の課題を洗い出した上で、各種メディアの活用やコミュニケーション戦略の立案、製品開発や業務プロセスの見直し、システムの改善等を提案する。EPRコンサルタントと同様、コンサルティングファームとSIer・パッケージベンダーの双方が所属先候補となる。ベンダー所属の場合は、自社のCRMパッケージ(or サービス)の導入がおもな業務となることが多い。
SCMコンサルタント
企業のサプライチェーン(SCM※)部分のコンサルティングを担う業務。企業が抱える業務課題に応じて、SCMの戦略立案や業務内容の整理、SCMツールの導入、アウトソースの手配などを手がける。ERPコンサルタントやCRMコンサルタントと同じく、パッケージベンダー所属の場合は自社のSCMパッケージ(or サービス)のカスタマイズと導入支援を主な業務とするケースが多い。
経済産業省の調査によると、ITコンサルタントの年収は928.5万円※と、他の多くのIT系職種と比較してもトップクラスの高さとなっています。特に、コンサルティングファームに所属するITコンサルタントの場合、役職(階級)や経験によっては年収2000万円以上となるケースもめずらしくありません。
ただし、ITコンサルタントの年収は、年齢や業務内容、所属組織の給与構造などによって大きく左右されます。たとえば、国内企業に多い「年功序列型」と、外資系企業に多い「能力・成果重視型」の給与水準を比較すると、後者のほうが、より年収が高くなる傾向にあります。
また、企業に所属せずフリーランスとして働くITコンサルタントの場合は、企業勤務のITコンサルタントと比較すると年収が高くなる(1,000万円前後)ことも少なくありません。
それでは、ITコンサルタントに必要なスキル・資格とはどのようなものでしょう。
論理的思考能力(ロジカルシンキング)
物事を論理立てて(構造的に)理解する力。仕事上必要なIT知識やクライアント企業の業界知識を学ぶ際にも必要な能力であり、ITコンサルタントの基礎を築く力といえる。思考力に加え、思考の補佐となる「ビジネスフレームワーク(MECE、SWOT分析、PEST分析、CVCAなど)」も使えるようにしておきたい。
コミュニケーション能力
相手の意図や要望を汲み取り、自身の考えをわかりやすく伝える力。クライアント企業をはじめ社内外とのやりとりが多いITコンサルタントには必須能力と言える。また、コミュニケーション能力と関連性の深い「エンパシー(相手の立場になって考える力)」や「折衝力(関係者間の利害を調整して合意を形成する力)」も磨いておきたい。
問題解決能力
企業側の情報を分析し、解決すべき課題がどこにあるかを特定した上で解決策を講じる力。正解のない状況で仮説を立て、実行・検証・修正をくり返す「仮説思考」と合わせてITコンサルタントの必須スキルの一つとなっている。また、個々の課題に対し、主体性を持って関わっていく姿勢も重要。
ITコンサルタントは、弁護士や税理士のように特定の資格がなければ就けない職業ではありません。ただし、企業の経営に関わる重大な提案を行うことも多く、個々の企業が抱える課題に対して適切な解決案を示し、業務改善を図るための幅広い知識が求められます。
資格は自身に信頼に足る知識があることの証明にもなるため、特に未経験からITコンサルタントを目指す場合には取得しておくと良いでしょう。
ITストラテジスト
経済産業省が認定する国家資格の一つ。情報処理技術者試験のうち、最高位のスキルレベル4(高度情報処理技術者試験)に分類される。ITを活用して事業を高度化・最適化するための基本戦略を策定する仕事(CIO、CTO、ITコンサルタントなど)に適する。
試験日程 | 年1回(4月) |
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受験料 | 7,500円 |
合格率(2021年) | 15.3% |
中小企業診断士
中小企業の経営に関する診断や助言を行う国家資格。企業の経営支援を担う専門家であり、経営面においてのプロフェッショナルであることを証明できる。有資格者はITコンサルタントだけでなく、経営コンサルタントや企業内診断士としてキャリアをスタートすることもできる。
試験日程 |
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受験料 |
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合格率(2021年) | 36.4% ※1次試験 |
ITコーディネータ(ITC)
経済産業省推進資格。経営者の立場から「経営」と「IT」を橋渡しする役割を担う。資格取得にはITコーディネータ試験に合格し、ケース研修を受講・修了する必要があり、どちらかをクリアした場合は4年以内にもう片方の条件を満たせば資格認定が可能。資格は毎年更新となる。
試験日程 | 年1回(1月~2月)※同一試験日程内、1度のみ受験可能 |
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受験料 | 19,800円 |
合格率(2021年) | 64.7% |
実務経験がない状態でITコンサルタントの求人に応募する場合、どのように自己アピールすれば良いかがわからない方も多いでしょう。
未経験からITコンサルタントとして採用されるためには、ITコンサルタントに求められるスキルや資質、これまでに培ってきた経験が仕事において役立つことを応募先に証明する必要があります。
20代の場合は、未経験でもポテンシャルを評価し採用するケースも少なくありません。この場合はITコンサルタントの必須スキルである論理的思考能力、コミュニケーション能力、問題解決能力をアピールする方法が有効です。
30代以降になると、基本スキルに加えてSEとしての開発経験(上流~下流までの開発工程の俯瞰的理解)や、PM・PLとしてのマネジメント経験&人材育成経験などが重視されるようになります。
40代以降ではIT業界での経験と専門知識に加えて、経営スキルや企業との折衝経験などが強みになるでしょう。なお、40代以降は高いスキルとマネジメント経験が求められる傾向が強くなるため、下の世代と比較すると転職のハードルは上がります。
履歴書や職務経歴書だけではわからない人柄・人間性を見られるのが採用時の面接です。
書類選考を突破して面接が決まった場合は、大きなチャンスと捉え、万全の準備で臨みましょう。
志望動機や転職理由といった確実に受ける質問に対して回答を用意しておくのはもちろん、応募先企業の業務内容、求める人物像、過去の採用実績があればその詳細など、できる限りの情報を集めておくのが理想です。
ITコンサルタントの転職支援に強い転職エージェントを利用すれば、求人紹介や面接の手配を依頼できる上、一人で調べるだけでは得られない応募先企業の情報をつかむことができます。
応募書類対策や面接対策についてもキャリアアドバイザーのサポートを受けられるため、転職活動の際は上手に活用すると良いでしょう。
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求人数 ※2022年8月時点 | 公開求人1,642件(+非公開求人) |
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