ケース別転職対策
20代の転職に役立つ対策とは?20代の前半と後半で異なる転職の心がまえ、キャリアや資格の活かし方を解説
転職支援サービス大手dodaが、転職エージェントを利用し、転職したビジネスパーソン20万人のデータを分析した結果を見ると、転職成功者の平均年齢は31.4歳(女性は平均29.8歳、男性は32.6歳)ということがわかります(doda「転職成功者の年齢調査」)。この結果だけ見ると、転職は30代中心のように思いますが、実際に細かくデータを分析すると、2019年上期に転職を経験した方の実に49.7%が29歳以下となっており、転職市場の中心にいるのは間違いなく20代です。
多くの20代が、20代中盤から後半にかけて、数年間の社会人生活を経て自分のキャリアや働き方を見直したくなるもの。また、新卒で会社に入社した方の多くが、自分のイメージと会社での実際の仕事の違いに戸惑い、20代前半に転職すべきかどうか、頭を悩ませます。このように、転職の動機は人それぞれですが、転職市場における20代は、他の年代と比較しても企業側の需要があり(第二新卒等)、未経験分野への転職であっても、潜在能力や資格取得のための努力などを企業は高く評価することから、20代は他の年代と比較すると、有利な年代と言えるでしょう。
また第二新卒は、新卒と比較すると、社会の大変さをしっかり経験しており、ビジネスマナーなどの基本がしっかり身に付いている点や、若い世代ならではの吸収力や素直さも評価の対象になります。このように仕事での実力以外の部分が評価対象になる点も、20代での転職の強みと言えます。
35年間に渡り、41万人を超える転職を仲介してきたリクルートエージェントがこれまで蓄積してきた転職者のデータを公開。転職者の職種や業界、年齢、年収の増減、求人企業の内訳等、転職する前に知っておきたい統計データをチェックできる。
20代が今、海外勤務経験を積んだほうがいい「本当の理由」(リクナビNEXT)
グローバル化の進展に伴い、海外で活躍できる人材の需要はますます高まっている。転職市場の中でも評価が高い海外の勤務経験を20代のうちに身に付けておいた方が良い理由をわかりやすく解説
社会で働くヒントがわかるお役立ちサイト。「はたらく」「しごと術」「お金・制度」「みんなの声」「気分転換」という5つのカテゴリに分け、20代の仕事に役立つ様々な記事を配信。著名なビジネスパーソンへのインタビュー記事では、仕事を選んだ理由、仕事をしていて良かったと思う瞬間、仕事で一番大変だった経験、今の仕事が向いていると思う理由、理想のワークライフバランス等もチェックできる。
一方で、20代の転職者に不足しがちなのが仕事におけるキャリアや実績。年齢が若いぶん、重要案件を任されることが少なく、飛びぬけた成績等を収めることが難しいため、職務経歴書に書けるだけの実績がないことで、悩む20代は少なくありません。
さらに、20代の転職者に対して企業側がもっとも危惧するのが、すぐに辞める人材ではないかどうかです。若いうちに転職を決めた人や在職期間が短い人ほど、前職と同じようにいずれ転職するのではないかと、志望動機や転職理由・退職理由などを重点的にチェックされます。
20代の転職者の強み
20代の転職者の弱点
このように、20代の転職では、吸収力や体力など若い世代ならではの強みを活かし、応募職種に対する意欲・熱意を示すことで、自分自身の「伸びしろ」をアピールすると良いでしょう。
キャリアや実績、応募職種に関連したスキルなどがあれば有利になることは違いありませんが、万一アピールするだけの実績が充分にない場合でも、これから学んでいこうとする姿勢やそのために行っている具体的な努力を示すことで、企業の評価を上げることは、充分に可能です。
また企業の求人に応募する際は、求人内容をよく確認し、企業が求める人物像をしっかり把握しましょう。たとえば、応募者の経験不問をアピールしている企業や、様々な業界からの転職者を受け入れている企業は、ポテンシャル採用に積極的な場合が多く、20代の転職に向いていると言えます。
それでは、20代の転職対策を、履歴書・職務経歴書などの応募書類の作成と、企業面接に分け、それぞれ考えていきましょう。
1空欄は原則なくす
履歴書は空欄がないほうが好印象です。趣味や特技など仕事に無関係と思える項目も個性をアピールするポイントと捉えて記入しましょう。企業の中には応募者の余暇の過ごし方を参考にするところもあります。
2志望動機は「企業研究」「キャリア」「貢献」が決め手
志望動機は、応募者の熱意と仕事に対する意識が一目でわかる重要項目。主なポイントは「応募先の仕事をきちんと理解しているか?」と「今後のキャリアプランを描けているか?」の二点です。自分がやりたいことばかりでなく「会社の中で自分が役立てる点」も書きましょう。転職本などの模範解答を丸写しにすると、かなりの確率で見抜かれ、マイナスの評価を下されます。
3写真にも気を使う
履歴書の写真は採用担当者が真っ先に目にする部分です。写真を貼る位置が曲がっていたり、糊などの汚れが付着したままにしないよう注意しましょう。撮影時の格好はスーツが基本。できれば、スピード写真よりも写真館でプロのカメラマンに撮影してもらったほうが、仕上がりが良くおすすめです。
4読み手のことを考える
乱雑な文字、修正液を使うなど、企業の採用担当者が抱く印象を配慮しない履歴書や職務経歴書はそれだけでマイナスの印象を与えます。誤字や脱字も要注意。また、最近増えてきたインターネット応募は、手書きの書類に比べて文字の問題こそ少ないものの、原稿用紙2~3枚分にわたる長すぎる志望動機を書くなど、企業の採用担当者にとって、大きな負担となる応募書類は、やはりマイナスの評価を受けます。
5資格を書く
応募職種に関連した資格は強力なプッシュ材料です。取得済みの資格はもちろん、取得前の資格であっても勉強中であることをアピールしましょう。特に英検・TOEICなどの語学系資格や、ビジネス文書・秘書検定・MOS等のビジネススキル系資格、簿記・FPなどのマネー系資格は書いておいて損はありません。
1笑顔と誠実な受け答えが基本
笑顔と誠実な受け答えは、すべての面接の基本です。特に20代の転職者にとっては、若者らしい素直さや積極性をアピールできるポイント。無理をしていつもと違う自分を作る必要はありませんが、会う時間を作ってくれた面接官に感謝の気持ちを示し、誠意ある対応をとることで、場の雰囲気をやわらげ、相手の心証を良くすることができます。
2ビジネスマナーは減点評価
入室前のノックや着席のタイミングなど、面接マナーの多くは、社会人であれば日常的に行っていることがほとんどです。新卒と違い、社会経験が強みの一つでもある20代の転職者は、ビジネスマナーができていないとそれだけでも減点対象に。入退室の手順やお辞儀の仕方などに自信がない場合は、面接前におさらいしておきましょう。
3面接の前にも企業研究を
面接前には、応募書類作成の段階で調べた応募企業のホームページや業界の関連ニュースなどを、もう一度チェックしましょう。面接前に応募企業のサービスや店舗・製品などを調べておくのもおすすめです。その場合、調べた内容をどのように面接に反映させるかまで考えておくと、志望動機や自己PRの回答に厚みを持たせることができます。
4模擬面接でシミュレーション
面接に自信がない場合や、絶対に内定を獲得したい本命企業の面接に挑む前は、模擬面接で入室から退室までの流れを練習しておきしょう。模擬面接は、マナーの再確認や受け答え・話し方の練習になるだけでなく、何度もシミュレーションすることで話す内容が整理され、相手に理解しやすくなるうえ、本番の緊張も和らげることができます。
履歴書や職務経歴書の作成、面接対策など、転職は普段の仕事と異なる作業の連続です。特に、初めての転職や仕事を続けながらの転職活動の場合は、転職エージェントの無料サポートを活用してみるのも一つの方法でしょう。
転職エージェントが提供しているサポートは、求人の紹介だけでなく、キャリアプランの作成、履歴書・職務経歴書の添削、面接のスケジュール調整、模擬面接や年収交渉など多岐にわたります。
応募企業の社風や採用方針、面接官の人柄など、個人で転職活動をしていたのでは知り得ない情報も握っているうえ、その転職エージェントだけが扱う非公開求人の数も多いため、上手に使うことで転職活動の効率は飛躍的に高まります。
就活サイトで有名なマイナビが運営する転職エージェント。他の転職サイトと比較しても20代からの認知度が高く、企業から寄せられる求人も20代向けの求人や独占求人を多数取り扱う。またキャリアコンサルタントのサポート力にも定評があり、転職が初めてという場合でも安心して利用できる。拠点は東京、大阪、名古屋、静岡の4か所。
転職エージェントの最大手。幅広い職種の求人案件を持ち、転職実績でも群を抜く。20代の転職では、キャリア転職はもちろん、第二新卒の転職も積極的にサポート。拠点数が多いため、登録面談や模擬面接のサポートを受けやすい。
リクルートエージェントに次ぐ求人数と実績誇る転職エージェント。転職フェアの開催実績は数ある転職エージェントの中でもNo.1.求人サイトと連動しており、エージェントのサポートを受けながら自分で求人案件を検索することもできる。20代の転職では、エンジニアやサービス業方面に強く、案件が多い。
では次に20代の転職では、どの程度の年収を目指すべきなのかを考えてみます。転職支援サービス大手dodaが集計を行っている平均年収ランキング2017によると、20代の平均年収は、全業種平均で346万円となっています。ちなみに20代といっても年齢や性別によっても、平均年収は大きく異なっており、20歳の平均年収は全業種平均で277万円(男性308万円、女性248万円)、25歳は中央値に近い342万円(男性357万円、女性321万円)、29歳になると初めて400万円を超え402万円(男性425万円、女性359万円)となっています。
また20代で平均年収が高い職種の1位はゴールドマンサックス証券に代表される投資銀行業務の627万円。2位、3位は運用(ファンドマネージャー/ディーラー/アナリスト)、戦略・経営コンサルタントと続きます。
ちなみに平均年収の分布図を見ると年収300万円~年収400万円未満が全体の7割を占めており、年収400万円を超えれば年収は高い部類に入ると言えそうです。
20代の年齢別平均年収※一部抜粋
20代で平均年収が高い職種トップ3
20代で平均年収が高い業種トップ3
自身の業種、職種の平均年収が知りたい方は、dodaを運営するパーソルキャリアが提供するMIIDASが便利です。MIIDASは、市場価値の詳細分析ができる転職サイトです。自身に近い業種、職種、キャリアを持つ求職者がどんな企業に、どのような条件で転職したのかがわかるので、上手く活用すると良いでしょう。
市場価値分析から全てがスタートする転職サイト。簡単な質問に回答していくことで、自身の現在の業種や職種、キャリアを登録でき、近い業種、職種、キャリアを持った人材がどんな企業に、どんな条件で転職に成功したかがわかる。また登録が完了すると企業からスカウトオファーが届くのを待つだけ。届くオファーは全て面接確約オファーなので、内定を獲得しやすい。
20代で転職する方の多くが、初めて(もしくは二度目)の転職になるはずです。実際に転職するとなると気になるのは、20代の転職の成功例と失敗例ではないでしょうか。筆者は転職の専門家として、多くの20代から転職の相談を受けており、転職の成功も失敗も数多く見てきています。以下は典型的な成功する人の特徴と失敗する人の特徴です。転職を検討している20代の方は、是非チェックしてみてください。
20代の転職に成功する人の5つの特徴
20代の転職に失敗する人の5つの特徴
20代の転職は、今後のキャリアだけでなく、働き方や生涯年収も含めた人生そのものを左右する重要な決断です。
キャリアや働き方についての明確なビジョンを持たないまま、あるいは、「上司とそりが合わない」「給料が安い」等のネガティブな理由のみで安易に転職をすると、今後のキャリア形成に支障が出るのはもちろん、職場で気に入らないことがあるたびに転職を繰り返すことにもなりかねません。
転職を考えるのであれば、まず自身の「転職理由」と今後の「キャリアデザイン」をはっきりさせ、今の職場でそれを実現することは絶対に不可能なのか、不可能であるとすれば、実現するためのビジョンとはどういうものか、それが実現可能な業界・職種・企業はどこかをしっかりと調べることが大切です。また、自分自身を客観視する事は非常に難しいので、自己分析を行う際は親や兄弟、友人、転職のプロである転職エージェント等に相談し、客観的に自分を評価してもらうとより効果が高まります。
20代の転職を今後のキャリアの基盤とするために、20代の強みと弱点を把握し、自分ができる最大限の転職対策に取り組み、後悔のない転職を実現しましょう。
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