ケース別転職対策
有資格者が徹底解説!
「福祉系の資格を取るにはどうしたらいい?」
「社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士の仕事内容の特徴は?」
「資格を取ったらどんな仕事ができる?」
本記事では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士資格を全て取得した筆者が、様々な疑問に経験談も交えながら回答します。
福祉関連の仕事は、働く場所や支援の対象となる人が多種多様であることが特徴の1つ。
大変に思えますが、仕事内容が多方面にわたるからこそ、自分の興味がある分野を選び働けるとても魅力のある職種です。
さらに福祉系の国家資格を取得すれば、仕事の選択肢が大幅に増加します。
収入アップ・キャリアアップはもちろん、資格試験への取り組みは、毎日の充実感もアップ。
どの資格も合格までの道のりは決して楽ではありませんが、取得できれば資格は一生ものです。
ぜひチャレンジして仕事の幅を広げましょう!
福祉の資格試験までに学ぶ内容は、仕事だけでなく、日常生活で役立つ知識や技術が盛りだくさんです。学習を進めていくと、一刻も早く学んだ知識をアウトプットしたくなるはずです。
例えば、社会福祉士、精神保健福祉士は、心理学や相談援助の方法を学習。これらの知識や技術は、周りの人と信頼関係の構築し、円滑なコミュニケーションを図るために必要な能力の習得に役立ちます。
また、介護福祉士の試験科目である生活援助技術を学べば、家事スキルの向上も期待できるでしょう。
福祉系の国家試験を受験するには、全て「受験資格」を満たす必要があります。
受験資格を得るまでに時間はかかりますが、未経験でも挑戦は可能です。
これから資格取得を目指す社会人の方へ、それぞれの試験の概要と、受験資格の取得方法を解説します。
合格率 | 例年30%程度 |
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問題数と配点・試験時間 | 問題数は150問で配点は1問1点。試験時間は240分 |
試験科目 | 全19科目(そのうち11科目は精神保健福祉士の試験と共通する科目) |
受験日時 | 試験は毎年1回、2月の上旬に開催 |
4年制大学卒業者であれば、福祉系以外の学部でも一般養成施設で1年以上学ぶことで受検資格が得られます。
通信制や夜間のカリキュラムを開講している所も多くあり、現在の職場で働きながら受験資格を得るための勉強も可能です。
短大・専門学校の卒業者は、一般の養成施設で学ぶ前に、実務経験が必要。
実務経験なしで社会福祉士を取得したい場合は、福祉系の大学に中途編入し、指定の科目を履修することで卒業と同時に受験資格が得られます。
中学校・高等学校の卒業者が働きながら受験資格取得を目指すには、通信制や夜間コースのある4年制福祉系大学に入学して学ぶのが一番の近道。
合格率 | 例年60%程度 |
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問題数と配点・試験時間 | 問題数は163問で配点は1問1点。試験時間は275分 |
試験科目 | 全16科目(そのうち11科目は社会福祉士の試験と共通する科目) |
受験日時 | 社会福祉士と同様に、試験は毎年1回、2月の上旬に開催 |
福祉系の大学を卒業せずに精神保健福祉士の受験資格を得る要件は、社会福祉士の場合と同じです。
4年制大学卒業者であれば、福祉系以外の学部でも一般養成施設で1年以上学ぶことで受検資格が得られます。
その他の短大・高校卒業者等で実務経験がない場合は、福祉系の大学に入学又は編入して、指定の科目を履修後に卒業することが、受験資格を得る最短ルート。
合格率 | 例年70%程度 |
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問題数と配点・試験時間 | 問題数は125問で、配点は1問1点。試験時間は220分 |
試験科目 | 全11科目(社会福祉士、精神保健福祉士との共通科目はなし) |
受験日時 | 筆記試験は毎年1回、1月の下旬に開催 |
福祉を学校等で学んだ経験も実務経験もない場合に介護福祉士の受験資格を取得するには、介護福祉士養成施設に2年以上通学するルートが最短。
しかし、夜間や通信制のある養成施設が極端に少ない点には注意が必要です。
仕事をしながら介護福祉士を取得するには、介護職に転職して実務経験を3年以上積み、実務者研修を受講するのが最も良いルートだといえるでしょう。
高等学校卒業であれば、養成施設に入学することができ、上記どちらのルートでも、実技試験は免除されます。
合格基準
総得点の60%程度ですが、はっきりと決まった合格点はなく、その年の受験者の正答率によって合格点は変化します。
出題形式
全問マークシート。5つの選択肢から正解を1つまたは2つ選んで解答。
試験の申し込みと実施機関
社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士資格の実施主体は全て「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」です。
申し込み手続き~受験票取得までの流れ
注意点
全科目で1科目でも0点を取ってしまうと、例え他の科目が満点でも不合格。
苦手科目を捨てて試験に挑むことはできません。
仕事内容の中心は相談業務です。社会福祉士は、日常生活上の問題を抱えた人の相談に応じ、適切な福祉サービスに結び付ける役割を担います。
社会福祉士は、福祉分野では活躍の場がとても多いのが特徴で、呼び名も働く職場によって異なることがほとんど。
また、相談者が利用できるサービスの紹介や他職種への橋渡しも行います。
高齢者分野
特別養護老人ホームや、デイサービスなどで生活相談員として、利用者やそのご家族からの相談に応じます。介護施設では介護業務を同時に行うケースもあります。
筆者は社会福祉士の実習で、高齢者施設に行きました。その施設では、社会福祉士の方が入所者の相談に親身になって耳を傾け、介護スタッフとの連携も図られている姿が印象的でした。
利用者の情報を見たり聞いたりするだけでは、本当の問題は解決しないこともあります。
介護業務を通して利用者さんに直接関わり、さらに介護現場の大変さも同時に知ることは、問題解決をする上でとても重要です。
障害者分野
就労支援事業所やグループホームなどで生活指導員または支援員として、日常生活の相談を受け、障害者の就労支援に関わります。
児童福祉分野
児童養護施設、児童発達支援センターに配置される社会福祉士は、ファミリーソーシャルワーカー、家庭児童相談員とも呼ばれます。家庭に何らかの問題がある児童や、子育てに悩みを抱える保護者などを支援。
育児の経験がある方は、その経験を活かし働くことが可能です。
障害のある子どもを育てた経験のある方が、社会福祉士の資格と経験を活かし、相談者の問題解決を支援しているケースもあります。
行政・地域福祉分野
福祉事務所、地域包括支援センター、社会福祉協議会などで、地域住民の悩み解決を支援。
市役所の福祉課などに配置される社会福祉士は、生活保護を担当するケースワーカーとして勤務している場合があります。
医療機関
医療機関で働く社会福祉士は、医療ソーシャルワーカーと呼ばれ、患者さんとその家族の抱えている悩み解決を支援します。
特にお金に関する問題を抱えている患者さんは少なくありません。医療費の相談に応じる際は、患者さんの金銭的負担を減らせるサービスを紹介できると大変喜ばれます。
精神疾患のある方やそのご家族の相談に応じ、必要なサービス利用に結びつけるためのサポートを提供します。
その他、精神科医療の知識や、精神疾患の特徴を理解したコミュニケーション技術も必要です。
※社会福祉士との大きな違いは、精神の問題を抱える人の支援に特化しているという点。
相談者が利用できるサービスの紹介や他職種への橋渡しを行い、幅広い知識が必要である点は、社会福祉士と変わりません。
精神科病院
医師、看護師をはじめ他の医療職と連携しながら精神科ソーシャルワーカーとして患者さんとそのご家族の相談に応じます。
入院中の患者さんに対して、臨床心理士や作業療法士と一緒にレクリエーションやリハビリテーションに携わることも。
その他、患者さんの退院に向けた支援も重要な業務。
筆者が働いていた精神科病院では、入院が長くなると、退院に消極的になってしまう患者さんがたくさんいました。
退院後に使える福祉サービスを紹介し、患者さんが安心して在宅生活が送れるサポートできると、仕事のやりがいを感じることができるでしょう。
障害者就労支援施設
就労継続支援事業所、地域活動支援センターなどで精神障害者の就労をサポート。精神障害者が就労に対する不安を解消できるよう相談に応じる業務に加え、トレーニングを一緒に行うことも。
また、就職したら終わりではなく、安心して仕事が続けられるよう就職後も継続して支援する必要があります。
日常生活を送るのが困難な高齢者や障害者に、必要な介護を提供します。主に食事、排泄、入浴などに関わる身体介護と、掃除、調理、買い物などの生活援助があります。
さらに、介護の知識と技術を身に着けたプロとして、介護を担う人材の教育・育成や、介護をされている家族へ介護方法のアドバイスも提供。
何でもやってあげるのではなく、利用者の自立を支援することも介護福祉士の大切な役割です。
高齢者分野
介護福祉士が最も活躍している分野。特別養護老人ホーム、グループホームなどの介護施設のほか、訪問介護事業所やデイサービスなどの通所介護事業所があります。
人手不足や時間に追われるなど大変なことも少なくありませんが、人生の先輩である高齢者の方々から多くのことを学べます。また、利用者さんの「ありがとう」に救われる場面もたくさんあり、やりがいを身近に感じる職場です。
障害者分野
障害者の入所施設や通所施設でも介護福祉士は活躍しています。
重度障害者の介護では、医療職との連携が不可欠。
筆者も、介護の仕事を通して、一人暮らしをされている重度の障害者の方と関わらせてもらっています。介護福祉士として、その人の「できること」に注目し、その人らしく生活する手助けができる点はとてもやりがいがあります。
医療機関
病院の入院患者さんにも認知症の高齢者が増えている中、介護福祉士の活躍の場が広がっています。
筆者が以前働いていた認知症病棟では、介護福祉士の方が看護師と意見交換しつつ、円滑に患者さんを支援されていました。医療チームの一員として、介護の専門家である介護福祉士はなくてはならない存在です。
学習内容を理解できず、問題を間違えてばかりの時は、勉強が嫌になるものです。
筆者が試験勉強をしていて嫌になった時は、その科目や内容から一旦離れ、簡単な問題や自分の好きな科目から勉強していました。
また、福祉の仕事に就きたいと思ったきっかけをもう一度思い出してみたり、憧れの職場で活躍している自分の姿を想像したりすると、モチベーションが上がるはず。
現在はスマートフォンのアプリでも学習できるので、勉強のやり方を変えたい時や、すきま時間を活用したい場合におすすめです。
疲れた時は、適度な息抜きや気分転換をしつつ、無理せず学習を進めていってくださいね。
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