ケース別転職対策
職場(調剤薬局、ドラッグストア、企業、病院)別にチェック
薬剤師が転職する際、頼りになるのが薬剤師の転職支援に特化した「薬剤師転職サイト」です。実は、薬剤師の転職を専門に支援する転職サイトはたくさんあります。例えば、マイナビ薬剤師や薬キャリエージェント、リクナビ薬剤師等が代表的な薬剤師転職サイトです。
ただ、一言で薬剤師転職サイトといっても、転職サイトごとに取り扱う求人数や対応地域、得意とする職種・職場、交渉力やサポート内容等がそれぞれ異なる点には注意が必要です。
今回の転職活動の歩きかたは、薬剤師の転職を徹底解説。薬剤師が活躍する4つのフィールドである「調剤薬局」、「ドラッグストア」、「企業(製薬会社)」、「病院」、各職場への転職におすすめの転職サイトを厳選しました。職種や平均年収、仕事内容、働き方の違いについても解説しているので、転職を検討している薬剤師の方は、最後までチェックしてみてください。
薬剤師の主な転職先は、「①調剤薬局」、「②ドラッグストア」、「③企業(製薬会社等)」、「④病院」の4つに分類されます。
本チャプターでは、この4つの職場別に、仕事内容や働き方の違い、平均年収、キャリア等を解説。また、おすすめの転職サイトについても厳選し、ご紹介します。
薬剤師の転職先としてまず挙げられるのは、調剤薬局。
調剤薬局では、日々の調剤業務の他、地域のかかりつけ薬局として患者への服薬指導等を行います。患者との長期的な付き合いが発生する場合も多く、地域医療への貢献を通してやりがいを感じることができる職場です。
平均年収 | 488.3万円 (マイナビ薬剤師の保有求人平均より) |
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職種 | 一般職、管理薬剤師、エリアマネージャー |
仕事内容 | 調剤業務、服薬指導、在宅医療、店舗運営業務 等 |
働き方 | 固定休み、かかりつけ薬局として患者との長期的な付き合いあり、地域医療従事 |
キャリア | 調剤業務経験を積める。店舗経営や管理業務へのキャリアアップも |
日本最大級の医療従事者が登録する「m3.com」が手掛ける薬剤師転職サイト。好条件の調剤薬局の求人が多く、転職支援にも強みがある。現在の求人数7万4,070件(※2025年3月時点)。
日本調剤グループが運営する、21年の実績を持つ薬剤師転職サイト。日本調剤グループのコネクションを活かし、調剤薬局の求人を豊富に取り扱っている。現在の求人数約5万2,782件(※2025年3月時点)。
ドラッグストアも、薬剤師の転職先として有力な候補の一つ。調剤薬局よりも年収が高いケースが多く、年収アップを目指す薬剤師からも高い人気を獲得している職場です。
一方で、業務はOTC医薬品の販売業務や、店舗運営業務がメインであることも多く、調剤薬局が併設されていない店舗の場合は、調剤業務がない場合も。業務内容が多岐にわたる他、土日祝日の出勤や夜間勤務等、勤務時間が長い傾向があるため、体力に自信のある人におすすめと言えるでしょう。
平均年収 | 512.5万円 (マイナビ薬剤師の保有求人平均より) |
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職種 | 一般職、管理薬剤師、エリアマネージャー |
仕事内容 | OTC医薬品の販売業務、店舗業務(レジ打ち、品出し、在庫管理等) ※調剤薬局併設の場合、調剤業務、服薬指導 |
働き方 | 土日祝日出勤あり、シフト制、接客業務あり、大手の場合は福利厚生の充実も |
キャリア | 店舗マネージャーやエリアマネージャー等へのキャリアアップ |
マイナビグループが運営する薬剤師転職サイトの最大手。豊富な求人数を取り揃えており、なかでもドラッグストアへの転職に強みがある。年収アップを目指す場合にもおすすめ。現在の求人数4万9,222件(※2025年3月時点)。
製薬会社等の企業は、薬剤師の転職先のなかでも人気が高い職場です。定期昇給の幅が大きく、将来的な年収アップも期待できます。専門領域の知識を活かし、新薬の研究・開発に携われる等、大きなやりがいがある点も企業勤務のメリットの1つ。
ただし、人気の高さに反比例して求人数が少ないため、競争率も必然的に高くなります。転職のハードルも高い傾向にある点には注意が必要です。
平均年収 | 543.2万円
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職種 | 管理薬剤師、品質管理、薬事、研究開発職、MR、学術、CRA、CRC 等 |
仕事内容 | 職種によって異なる |
働き方 | 土日休み、残業が少ない傾向にある(※職種によって異なる)、福利厚生が充実している企業も多い |
キャリア | 研修が充実。高い専門性を身につけることができる。勤続年数に応じて年収アップし、昇給の幅が大きい。 |
マイナビグループが運営する薬剤師転職サイトの最大手。マイナビグループのコネクションを活かし、製薬会社等、企業の薬剤師求人に強みがある。丁寧なサポートにも定評あり。現在の求人数約4万9,222件(※2025年3月時点)。
病院での勤務は、業務内容が多岐に渡るため、薬剤師としての経験値を着実に上げることができます。チーム医療の現場では、異職種と協力して仕事をすることも多く、高いコミュニケーション能力も必要。入院患者との直接的な関わりも多数あり、やりがいを感じられる職場と言えるでしょう。医療従事者として現場経験を積み、スキルアップすることができます。
一方で、残業や当直が発生する病院もあり、勤務時間が不規則な場合がある点に注意が必要です。
平均年収 | 434.6万円 (マイナビ薬剤師の保有求人平均より) |
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職種 | 一般職、薬剤師主任、薬剤師部長 |
仕事内容 | 院内製剤業務、注射薬や点滴の調製、病棟業務、調剤業務、服薬指導、救命救急など |
働き方 | 当直や残業あり、シフト勤務あり、入院患者との直接的なかかわり |
キャリア | 医療従事者としての現場経験、薬剤師としてのスキルアップ |
日本最大級の医療従事者が登録する「m3.com」が手掛ける薬剤師転職サイト。病院の求人にも強みがあり、好条件の求人を紹介。現在の求人数約7万4,070件(※2025年3月時点)。
薬剤師の年収は、他の職種と平均すると比較的高い水準にあるものの、年収アップ率に関しては緩やかです。そのため、薬剤師が年収をしっかり上げようと思うのであれば、戦略を立て、転職活動にのぞむ必要があります。
本チャプターでは、薬剤師が年収をアップさせる方法を解説します。
薬剤師が年収をアップする方法には、主に以下の3つがあります。
年収をアップさせる基本は、求人票を見ながら現在の業務内容や経験を照らし合わせ、今よりもキャリアアップができる年収の高い求人を探すことです。たとえば、調剤薬局での勤務経験が長い場合、同じく調剤業務中心に、現在よりもキャリアアップでき、年収の高い求人を探すと良いでしょう。ちなみに、調剤併設のドラッグストアは、薬剤師求人の中でも高い収入を得ることが可能。大手ドラッグストアの場合、福利厚生も充実しています。
また、都市部よりも地方のほうが、薬剤師不足のため年収が高い傾向にあります。
働き方や勤務地など、転職の際に求める条件は多数ありますが、年収を重視するのであれば、年収以外の条件の優先順位を整理し、求人を探すと良いでしょう。
狙い目の勤務先 | 調剤併設ドラッグストアの求人 |
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おすすめポイント |
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デメリット・注意したい点 | 夜間シフト、複数店舗の掛け持ち、異動・転勤のある場合が多い |
年収アップをめざす2つ目の方法は、年収交渉です。現在の年収をベースに交渉してみましょう。
ちなみに、年収アップの交渉をしやすいケースとしては、充分な薬剤師の数を確保できておらず、人材募集を急いでいる新規オープンの店舗等、すぐに働ける薬剤師を探している職場がおすすめ。年収交渉の余地が大きく、年収アップに繋がりやすい傾向があります。
また、管理薬剤師や一人薬剤師としての勤務経験があり、一定以上の実務経験とマネジメント経験を持っている場合も、転職先と年収交渉をしやすくなります。
狙い目の求人 | 新店舗オープン等に伴う急募求人、管理薬剤師/一人薬剤師の求人 等 |
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おすすめポイント |
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デメリット・注意したい点 | タイミングよく求人にアプローチするためには、常に情報収集が必要。 |
ちなみに、上記のような求人を探す場合、薬剤師求人を専門に扱う「薬剤師転職サイト」を利用する方法が効率的です。
薬剤師転職サイトでは、ドラッグストアや調剤薬局の動向に詳しく、急募求人や年収条件の良い求人が出た段階で、いち早く紹介してもらうことが可能。専門のキャリアアドバイザーが薬剤師と転職先企業の間に入り、年収交渉の代行を依頼することもできます。
年収アップを第一の目標に据え、中長期的な視点でキャリアプランを練る方法もあります。
たとえば、大手製薬会社などの薬剤師求人では、転職直後の給料は調剤薬局と同等でも、定期昇給の幅が大きく、最終的な年収は他の勤務先を上回り、年収1,000万円を超えるケースも。専門領域を持っている方や、薬剤師としてのキャリアや実力に自信のある方は、チャレンジしてみると良いでしょう。
ただし、他の勤務先と比較すると企業向けの薬剤師求人は数が少なく、転職難易度が上がる点には注意が必要です。「3年以上の業務経験必須」、「高い英語力が必須」等ハードルの高い求人が多い傾向があります。
狙い目の求人 | 企業(製薬会社等) |
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おすすめポイント |
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デメリット・注意したい点 | 職種によっては薬剤師の資格・経験を充分に活かせない場合も。高収入職は業務経験が求められる。営業ノルマや不規則な勤務体制があるケースも。 |
本チャプターでは、薬剤師におすすめの転職サイトを3つ厳選し、詳しくご紹介します。求人数や取り扱う求人の種類はもちろん、転職支援サービスの特徴やおすすめポイントについても解説。どの転職サイトを選べば良いか迷っている方は、ぜひチェックしてみてください!
マイナビ薬剤師は、転職サイトの運営や人材紹介業を手掛け、高い人気と知名度を誇るマイナビグループの薬剤師転職サイト。サービスを利用した薬剤師の満足度調査で、5年連続利用者満足度No.1を獲得しており、高い評価を得ている(※2017年10月楽天リサーチ調べ)。ちなみに、一般的な薬剤師転職サイトは、対面登録が必要になるが、マイナビ薬剤師は電話登録も可能となっている。
求人数は、約4万9,222件以上(非公開求人を含む)。取り扱う求人の幅が広く、調剤薬局・病院・クリニック・ドラッグストアに加え、CRAやCRC、MRといった地形業界や製薬メーカーの転職にも強い。
無料会員登録することで、製薬業界に精通した専門のキャリアアドバイザーから、希望に合う求人の紹介を受けられる。丁寧なサポート体制に定評があり、転職が初めてという薬剤師の方も安心して利用できる点も嬉しい。
マイナビ薬剤師は、転職を検討している薬剤師にとって、まず利用を検討すべき転職サイトであることは間違いない。
求人数 | 約4万9,222件 (※2025年3月時点) |
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取り扱う求人の種類 | 正社員、契約社員、非常勤・パート・アルバイト |
対応地域 | 北海道、宮城、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、愛知、京都、広島、岡山、福岡、鹿児島、沖縄 他 |
強みのある求人 | ドラッグストア、企業(製薬会社等) |
薬キャリは医療系の転職に強い「エムスリーグループ」が運営する薬剤師転職サイト。エムスリーグループの医療従事者専用サイト「m3.com」には、薬剤師を含む10万人以上の医療従事者が登録しており、高い知名度と独自のネットワークを通じた好条件の求人を多数保有。薬キャリでは、サービスを利用した薬剤師の95%が満足と回答するなど、高い評価を獲得している。
薬キャリでは、無料会員登録すると、最短でその日のうちに最大10件の求人紹介を受けられる。好条件の求人を最短で即日紹介してくれる対応スピードは、薬キャリの大きな強み。
また、薬キャリでは、転職に役立つコンテンツが充実している点も嬉しい。サイト上では、日々の仕事に役立つ医療ニュースや、転職を経験した薬剤師のインタビュー、転職成功ガイド等を掲載。その他にも、薬剤師に平均年収や調剤薬局の売上高ランキングなども紹介している。
薬剤師の転職において条件の良い職場に転職するためには、対応スピードは重要な要素の一つ。求人紹介の質とスピードに定評がある薬キャリは、チェックしておきたい転職サイトだろう。
求人数 | 約7万4,070件 (※2025年3月時点) |
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取り扱う求人の種類 | 正社員、契約社員、派遣、非常勤・パート・アルバイト |
対応地域 | 全国 |
強みのある求人 | 調剤薬局、病院 |
ファルマスタッフは、全国で調剤薬局を展開する「日本調剤グループ」運営の薬剤師転職サイト。薬剤師の転職サポートにおいて21年の実績を持ち、質の高いサポートは利用者から高く評価されている。2019年7月には、「薬剤師に選ばれる転職サイトNo.1」「求人情報に詳しそうな人材会社No.1」「希望条件と求人のマッチング度No.1」を獲得(※日本マーケティングリサーチ機構調べ)。
求人数は、約5万2,782件以上。幅広い職場・職種の求人を取り揃えており、中でも調剤薬局の転職に強みがある。日本調剤グループのコネクションを活かし、条件の良い調剤薬局の求人を多数紹介。調剤薬局への転職を検討している薬剤師の方は、ぜひチェックしておきたい。
ファルマスタッフでは、無料会員登録し、個別面談を受けることで、薬剤師の転職を専門に支援するプロのキャリアアドバイザーから求人の紹介を受けられる。また、登録者向けに、日本調剤グループの教育ノウハウを活かしたスキルアップサポートも提供。
豊富な求人数に加え、きめ細かな転職サポートが高く評価されているファルマスタッフは、転職を検討している場合、登録すべき転職サイトの一つだろう。
求人数 | 約5万2,782件(※2025年3月時点) |
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取り扱う求人の種類 | 正社員、派遣、紹介予定派遣、パート・アルバイト |
対応地域 | 全国(12拠点:札幌、仙台、大宮、船橋、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、九州) |
強みのある求人 | 調剤薬局 |
薬剤師の方が転職する場合は、薬剤師の求人を専門に取り扱い、評判が良い転職サイトを利用し、効率よく転職活動をすすめましょう。
薬剤師転職サイトは、それぞれ得意とする職場や職種、対応地域やサポート内容などが異なります。そのため、転職を希望する職場に強みを持つ転職サイトを選ぶことが重要です。
また、薬剤師が転職で年収をアップさせるためには、「①今よりもキャリアアップでき、年収の高い求人を探す」、「②現在の年収をベースに年収を交渉する」、「③中長期的に年収アップを目指す」等の方法があります。いずれの方法も、自分に合った転職サイトを見つけ、転職のプロの力を賢く活用することが年収アップへのキーポイント。
転職を検討している薬剤師の方は、本特集を参考に、自分に合った薬剤師転職サイトを見つけ、希望の条件を満たす転職を成功させましょう!
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