ケース別転職対策
自分に合った仕事の探し方と再就職のコツ
人生100年時代が到来し、セカンドキャリアや学び直しの重要性がささやかれる現在、40代や50代で転職を検討するケースも増えています。
また、2020年の新型コロナウイルスの流行を契機に経済が後退期に入り、長く働ける職場を求めて新たな仕事への転職考えはじめた、という方もいらっしゃるでしょう。
一般に、40代・50代の転職は、20代・30代の転職と比較すると、需給の関係から長期化しやすい傾向があります。これは求人数や求める人材のイメージなどから、転職はどうしても伸びしろの多い若年世代のほうが有利となるためです。
とはいえ、不景気の兆しが見えはじめた中でも、特定の分野でスキルを培ってきた経験者を求める企業は確実に存在しています。また、景気問わず人手不足の著しい業界では、通年採用が行われているところも。これかの分野・業界では、40代や50代の転職者も決して珍しいことではありません。
今回は、40代・50代で転職を検討している方のために「おすすめの転職の方法」や人材採用が活発な「おすすめの仕事」をご紹介。それぞれの転職成功のポイントもあわせて解説します。
就業中の方、特に、ひとつの業界や職種で長く働いている場合、まずは現在の仕事の経験やスキルを活かせる仕事を探してみると良いでしょう。
40代・50代になると、マネジメント業務が中心でプレーヤーとしては現場から遠ざかっている、という方もいれば、技術職等でずっと現場一筋でやってきた、という方もいらっしゃるはず。
どちらのケースでも、同業界や同職種への転職は、未経験の仕事への転職と比較すると、間違いなく有利です。
今までの経験とスキルを買われて、前職と同水準以上の給与を提示してもらえる可能性もあるでしょう。
まずは、自分自身のこれまでのビジネスでの経験・スキルを振り返り、「どのような分野・方面に強みがあるか」「今までにあげた成果・業績(具体的な内容や数値・結果などをまとめる)」等を整理してみましょう。
あわせて「自分が今後やっていきたいことはなにか」「どのような仕事に楽しみを感じているのか」を考えてみることも非常に重要です。
これからの日本社会では、超高齢化とともに定年制の廃止や年金の受給開始年齢の引き上げなどが起き、70代・80代となっても働き続ける人がますます増えていくはずです。
40代・50代で転職をすることは、定年までの残り十数年ではなく、新入社員時代から現在までと同じ30年程度の仕事を選ぶことになる可能性もあります。
そのように考えると、自分が本当にやりがいを感じられる仕事にフォーカスすることは、ビジネスパーソンとしての後半戦を生き生きと過ごすために欠かせない視点と言えるでしょう。
リクルートが運営するエグゼクティブ向けの転職支援サービス。年収800万円以上のハイクラス求人を中心に扱っている。原則年収600万円以上のビジネスパーソンを対象としていることから登録者の大半が40代以上、求人もミドル・シニア向けのハイクラス求人が多い。
無料会員登録をすると、リクルートダイレクトスカウトに登録しているヘッドハンターが登録者のプロフィール(匿名レジュメ)をチェックし、合致する求人がある場合はスカウトの連絡がくる。
転職サイトや一般的な転職エージェントには掲載されない希少性の高い求人も多く、利用者満足度の高さが大きな特徴。
転職を検討している管理職・マネジメント層はぜひ利用を検討したい。
転職をする場合は、前職に関連性のある業界・業種を目指したほうが、「給与」「キャリア」「再就職までにかかる時間」など多くの面において有利であることは間違いありません。
しかし、現在の仕事を継続したくないという意志が明確な場合や、非正規雇用や無職(すでに前職を退職しているetc.)で早めに再就職をしたい場合、体力・体調、通勤の距離や場所、その他さまざまな事情によって、今までとは異なる仕事を目指したい、という方も多いでしょう。
40代・50代で異業種の仕事に転職する場合は、景気の波を受けにくく未経験者を積極採用している業界に注目するのもひとつの方法です。
高齢化の影響によってニーズが高まっている介護の仕事は、人手不足が顕著な職種のひとつ。採用は通年で行われており、未経験者の採用も積極的です。男女を問わず40代・50代の求人も多くあるので、再就職先としておすすめ。
仕事内容は、高齢者の生活介助(食事介助・入浴介助・排泄介助etc.)がメインで、主な職場は老人ホームやデイケア・訪問介護といった介護施設や高齢者の自宅になります。
施設勤務の場合は夜勤があるのが一般的ですが、「夜勤なし」や「土日休み」といった条件で求人を絞り込むことで、自分の体力に合わせた職場を見つけることができるでしょう。
就業にあたって特別な資格は不要ですが、長く働く場合は、介護福祉士・初任者研修・実務者研修などの介護資格を取得すると待遇も良くなります。
人材関連サービスを手掛けるマイナビが運営する介護職専門の転職支援サービス。登録すると、介護業界に精通したキャリアアドバイザーがキャリア相談に乗り、応募書類の作成や面接のセッティング等をサポート。希望条件をヒアリングのうえ、求職者の希望に沿った求人を紹介してくれる。
また、紹介求人の質にこだわっており、介護職員の定着率が著しく低い介護施設や医療機関は紹介しない方針を採用。夜勤などの労働条件が整備されている施設の情報にも詳しい。
人材派遣・人材紹介などを幅広く手がけるウィルオブ・ワークが運営する介護職専門の転職エージェント。全国に拠点を持ち、トップクラスの介護士求人数を取り扱う。
登録すると介護専門のエージェントが希望の条件をヒアリングし介護求人を紹介。
未経験者の介護業界への転職も積極的にサポートしており、正職員はもちろん、派遣求人も充実。労働時間や曜日に制約がある場合や日勤のみの求人も取り扱っているため、介護業界に興味があり、転職を検討している場合の有力な選択肢と言えるだろう。
営業も人手が不足しがちな職種のひとつ。前職などで営業の経験があれば有利なことはもちろん、営業未経験の場合でも、同じ業界への転職であれば、前職の知識を活用できるため、採用される可能性が十分があります。
不動産業界や人材業界、保険業界などの営業職は、40代・50代の求人数も多いため、「人と接する仕事が合っている」「顧客や商材など新しいことを学ぶのが好き」「スケジュール管理が得意」など、今までの社会人生を振り返り、営業という仕事で自分自身が持つ強みを活かしてみたいと思う方は、選択肢に加えてみると良いでしょう。
リクルートが運営する業界トップクラスの転職エージェント。求人数の多さとキャリアアドバイザーの質に定評がある。ほぼすべての職種・業界をカバーしており、求人総数の多い営業職の案件も充実。
ウェブサイト上からサービス利用を申し込み、全国16箇所にあるリクルートエージェントの拠点で登録面談を受けることで、今までのキャリアの棚卸し(経験・スキルの洗い出し)、今後の転職方針の策定、具体的な求人紹介、さらに応募書類の添削や面接の申し込み&日時のセッティングといった各種サポートを受けられる。
男性向けの仕事として、警備会社や交通誘導(工事や駐車場の誘導スタッフetc.)も未経験者の転職が容易な仕事としておすすめです。最近は女性の警備員も増加しているので、体力に自信のある女性も、検討する余地は充分あります。
警備の仕事をするのに特別な資格は必要なく、求人数も多め。定年退職者を中心に中高年を積極的に採用しているため、40代・50代であれば現場では、むしろ若手の部類に入るケースも少なくありません。
なお、一部の警備会社の場合は夜勤があるため、求人票の勤務形態をしっかり確認するか、体力面が不安な場合はアルバイトでお試しをしてみるのもひとつの方法でしょう。
商業施設の警備や駐車場誘導では、スタッフの一人として接客スキルが求められる場合もあります。
一昔前まで、40代・50代といえば、定年が近づいて社会人生活のゴールが見えはじめる年代でした。
しかし現在は、人生100年時代を見すえた「学び直し」や「セカンドキャリアの構築」「定年廃止論」「年金受給年齢の引き上げ」などが現実味を帯びており、40代・50代であっても、現在の働き方を見つめ直し、転職に踏み切ることは誤った選択ではなく、自分自身の残りの人生を選択するポジティブなアクションとして、評価されるケースも増えています。
ミドル・シニア世代が再就職を成功させるコツは、前職の役職(肩書)や仕事のやり方、成功体験といった「過去の栄光」にとらわれず、新しい仕事や職場環境を柔軟に受け入れること。
転職先によっては自分よりも年下の先輩や上司と働くケースもあるでしょう。ただそれはもはや現代社会では当たり前に起こり得ること。必要以上に「卑屈」にも「尊大」にもならず、淡々と仕事をこなすメンタルの強さや理性的な態度こそが、これからの中高年には求められると言えるでしょう。
今回ご紹介した転職のポイントも参考に、ご自身のビジネスパーソンとしての人生を充実したものにするために、もう一度新卒の頃に返って転職活動をスタートしてみてはいかがでしょう。
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