ケース別転職対策
研究開発職の転職を成功させる方法
現在、化学・医療・メディカル・食品企業や、IT企業、その他メーカー等の研究職・開発職として働いている方の中には、さらなるキャリアアップや年収アップのためにも、転職を考えている方もいるのではないでしょうか?
研究開発職の転職は、他の職種と比較すると、公開されている求人数が少ない傾向があり、転職難易度もやや高いと言われています。
ただ、転職難易度がやや高いからといって転職できないという訳ではありません。自己分析や、自分の市場価値分析をしっかりとおこない、転職エージェント等の転職支援サービスを賢く利用することで、転職の成功率をぐっとあげることができます。
そこで、今回の「転職活動の歩きかた」の特集では、研究開発職の転職をピックアップ。
転職を成功させるための自己分析のポイントや、年収アップのコツ、研究開発職の転職に強い転職エージェントの情報を詳しく解説しています。
研究開発のスペシャリストとして現場で活躍していきたい方はもちろん、プロジェクトリーダーやマネージャーとして活躍し、年収アップを目指したいと考えている研究職の方は、本特集をぜひ最後までチェックしてみてください。
研究開発職は「R&D」とも呼ばれ、基礎研究と応用技術を用いて、具体的な製品を開発する職種のこと。本特集では、研究開発職の中でも農学や工学、理学、薬学、獣医学、情報科学といった理系分野の研究開発職をピックアップし、その転職方法について解説していきます。
参考研究開発職の仕事内容と転職先
研究開発職は、業務内容によって、就職・転職先が異なります。たとえば、研究開発職の中でも、基礎研究やバイオ研究等が主となる場合は、大学や公的研究機関が転職先の選択肢となるでしょう。分析・検査・管理が主な業務となる場合は、公的検査機関や受託分析機関、製品開発や技術開発の場合、メーカー等の民間企業での勤務が主となります。ちなみに、研究や分析をおこなう研究開発職は、メーカーでも求人募集しており、製薬会社や食品メーカー、化粧品メーカー等でも需要がある仕事です。
〈研究開発職の仕事内容と転職先〉
※ 参考
転職活動を始める前に、職種の平均年収を知り、自分の適性年収や市場価値を把握することは重要なポイントです。市場価値や適性年収を把握していることは、求人選びや転職エージェントとの面談においても役立ちます。
では、研究開発職の平均年収はどのくらいなのでしょうか?
大手転職支援サービスの doda では、平均年収・生涯賃金に関するデータを公開しています。dodaは、 2017年9月~2018年8月にエージェントサービスに登録した、20~65歳の正社員の方、約36万人を対象に調査を行い、職種・業種、年齢、都道府県など、さまざまな切り口で平均年収・生涯賃金を紹介。ここでは、そのデータをもとに、研究開発職の平均年収について見ていきましょう。
メディカル/化学/食品
研究開発 | 平均年収470万円(20代平均386万円、30代平均506万円) |
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分析研究 | 平均年収447万円(20代平均391万円、30代平均432万円) |
臨床開発/治験 | 平均年収519万円(20代平均435万円、30代平均531万円) |
IT/通信
研究開発 | 平均年収533万円(20代平均414万円、30代平均577万円) |
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電気/電子/機械
研究開発(先行開発・製品企画) | 平均年収574万円(20代平均417万円、30代平均584万円) |
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研究開発職の年収は、業種や業務内容によって大きく異なります。
dodaの調査データによると、医療機器・製薬他、メディカル業界、化学メーカー、食品メーカー等の研究開発職の場合、平均年収は470万円。臨床開発職の場合、平均年収は519万円となっています。IT・通信業界の研究開発職の平均年収は、533万円。電気・電子・機械業界では、さらに平均年収がアップし、574万円となっています。
一概に「研究開発」と言っても、それぞれの専門分野によって業種が異なっており、いわゆる「エンジニア」と呼ばれる、IT・電気業界などで、技術開発や製品開発をおこなう研究開発職は、年収が高い傾向があります。
また、研究開発職の年収や給料は、成果をどれだけあげられるかという点も大きな要素となっており、研究開発の実績と豊富な経験があれば、高い年収を期待できます。
研究開発職が年収アップを狙う場合、以下のポイントを抑えておく必要があります。
研究開発職の転職で年収アップを目指すには、まず高い水準の専門性が必須。専門分野の知識やスキル、経験、実績が高いレベルで求められます。
また、マネジメント経験も重要な要素です。現場経験だけではなく、研究開発のプロジェクトリーダーやマネージャーの経験があると、年収アップの可能性がぐっと高まります。
さらに、研究開発の専門知識以外のスキルを持っていることで、高く評価されることも。たとえば、英語や中国語といった語学スキルは、外資系企業や海外展開しているメーカー等で重要視されています。また、外資系企業では、顧客折衝・交渉の経験、企画・プレゼンの経験等のビジネススキルも、高い評価を得るための重要なポイントの一つ。
研究開発職で年収アップを目指す場合、研究開発の現場実績はもちろんですが、マネジメント経験や、語学力、企画・交渉等のビジネススキル等、総合力がキーポイントになるでしょう。
研究開発職に限ったことではありませんが、転職を成功させるには、自己分析をしっかりとおこなうことがとても重要です。
以下では、研究開発職の方が転職する際に、しっかり抑えておきたい、自己分析の3つのポイントについて解説します。
自己分析を行う際は、まずは転職理由を明確にすることが重要です。
なぜ転職したいのか、自分が研究開発という仕事に対して何を求めているのか(例えば、研究開発の業務内容、労働環境、給与等の待遇など)を深く掘り下げて考えてみましょう。
転職理由が明確になると、求人選びに軸が生まれ、志望動機にも説得力が増すため、結果的に転職活動をスムーズに進めることがに繋がります。ただなんとなく「今の職場が嫌だから転職したい」という気持ちで転職活動をスタートさせると、転職活動がなかなか進まず、転職できたとしても、新しい職場に満足できずに、また同じような理由で転職してしまうことも。自己分析の第1歩として、まずは転職理由を掘り下げ、なぜ転職したいのか、何のために転職するのかを明確にしましょう。
転職理由が明確になったら、次は将来のキャリアプランを考えることが重要です。
研究開発職のキャリアパス(民間企業で働く場合)は主に以下の3通りが考えられます。
自分が将来、研究開発においてどのようにキャリアアップしていきたいかによって、転職活動の方向性も変わってきます。5年後、10年後のキャリアプランを具体的に描き、転職を人生設計に組み込むことが大切です。
転職の意思が固まり、将来のキャリアプランについても考え、明確にすることができたら、転職活動を本格的に始める前に、自分の経験・実績を洗い出し、持っているスキルの棚卸しをしましょう。
自分の専門分野、前職までに担当してきた仕事内容、扱える実験設備・実験機器、これまでの研究開発における成果などを具体的に書き出して整理することが重要です。また、研究開発に直結する実績やスキル以外にも、プレゼン経験や顧客折衝、交渉等のビジネススキルや、研究開発のプロジェクトを率いるリーダーとしての経験(リーダーシップ)や、マネジメントスキルについても忘れずに書き出しましょう。
ちなみに、スキルの棚卸しについては第三者の客観的な視点も取り入れるのがおすすめ。大学の教授や、先輩、同期、友人、家族等に聞いてみるのも一つの方法です。また、転職エージェントを活用し、転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談し、スキルを徹底的に洗い出してもらうのも良いでしょう。
転職活動の歩きかた編集部では、研究開発職の転職には、転職エージェントを活用し、転職のプロのサポートを受けながら転職活動を進めることをおすすめしています。
転職エージェントを活用するメリットは以下の3つ。
以下では、この3つのメリットについて詳しく説明しながら、研究開発職の転職を成功させる方法について解説します。
非公開求人とは、転職サイトなどで一般には公開されていない求人のこと。新規事業や商品開発のプロジェクトメンバー、経営に携わる重要ポジションの募集、好条件の求人等、競合他社に動向を知られたくない求人に関しては、転職エージェントを介して非公開で求人の募集を行っています。
研究開発職の転職において、特にキャリアアップを目指す場合は、この非公開求人にアクセスすることが内定を掴むキーポイントと言えるでしょう。研究開発職の転職に強い転職エージェントに登録すると、この非公開求人の中から、希望の条件を満たす求人を紹介してもらうことができます。
また、研究開発職の求人数は、決して数多くはなく、タイミングも重要です。転職エージェントに登録し、粘り強く転職活動をすすめていくことで、希望の非公開求人が出てくるケースも少なくありません。
研究開発職の転職は、転職エージェントを活用することで、有利に活動をすすめることができるのは間違いないでしょう。
転職にあたっては、転職先の細かい業務内容、必要なスキルセット、社風、開発チームの業務への取り組み方、同僚やチームの雰囲気・スキルレベルといった、現場でしか知りえない情報も事前に把握しておきたいもの。また、平均的な残業時間、多忙期と通常期の残業割合、教育・マネジメントの仕方等の労働環境、キャリアアップしていく仕組み等、採用担当者には聞きづらいと感じる点がわかれば、求人に応募するかどうかの大きな判断材料になるはずです。
これらの情報を転職活動と並行し、自力で調べるのは容易ではありません。企業の採用担当者とコネクションを持つ現場に精通した転職エージェントであれば、これらの情報を入手することができます。転職後に後悔しないためにも、転職エージェントを活用し、可能な限り転職先の企業の情報を手にいれておくことも、転職を成功させるポイントの一つです。
研究開発職は特に、職務経歴書を細かくチェックされる傾向があります。そのため、関わった研究開発プロジェクトの具体的なポジション、期間、プロジェクトの達成に関する成果、チームワーク等について、できる限りわかりやすく、整理して記述することが重要です。
多くの転職エージェントでは、職務経歴書の添削をおこなってくれることから、転職経験がない方や、職務経歴書の作成に自信がないという方は、積極的に利用すると良いでしょう。転職のプロである転職エージェントの添削を受けることで、ポイントをしっかり押さえた職務経歴書を作成することができ、応募書類の通過率がアップします。
また、転職エージェントでは、模擬面接等の面接対策を無料で提供しているケースがあります。模擬面接は、面接の練習になるだけではなく、客観的な目線からフィードバックを受けられるため、面接が苦手という方は上手く活用すると良いでしょう。さらに、転職エージェントは採用担当者とのコネクションがあるため、面接官の事前情報や、面接後に面接官からのフィードバックを得られるケースも少なくありません。
これまでのチャプターでは、研究開発職の転職を成功させるために、転職エージェントを活用するメリットを解説しました。
ここでは、転職活動の歩きかた編集部が厳選した、研究開発職の転職に強い転職エージェントをご紹介します。
スペシャリストとして、研究開発の現場で活躍したい方はもちろん、プロジェクトリーダーやマネージャーとしてキャリアアップしたい方や、年収をアップさせたいと考えている方はぜひチェックしてみてください。
リクルートエージェントは、圧倒的な求人数と転職成功実績を誇る転職エージェントの最大手。取扱い求人は約22万8,000件を超えており、これまでの転職支援実績は累計41万1,000名以上(2017年3月期)と、業界No.1の求人数と実績を誇っている。幅広い業界の求人を取り扱っているなかでも、医薬・製薬業界、IT業界、電気・機械業界等、研究開発職が活躍できる業界の求人が充実している点は要チェック。
また、求人のピックアップや模擬面接等のサポートを行うキャリアアドバイザーの質の高さ・専門性の高さにも定評がある。
研究開発職の方が転職活動を始めるにあたって、まず登録しておくべき転職エージェントであることは間違いないだろう。
求人数 ※2022年3月時点 | 約39万8,200件以上 非公開求人:約22万7,204件 |
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拠点 |
全国16拠点 (札幌、仙台、宇都宮、さいたま、千葉、東京、西東京、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、福岡) |
得意分野 | 医薬・製薬、IT業界、電気・機械 ほか多数 |
リクルートエージェントの強み |
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dodaは、総合人材サービス企業「パーソルキャリア」が運営する転職支援サービス。
自己応募が中心になる転職サイトとしてのサービスに加え、経験豊富なキャリアアドバイザーから模擬面接のサポート含め、応募書類の添削など様々な支援が受けられる転職エージェントとしてのサービスをワンブランドで提供している。
メーカー、医療業界等、研究開発職におすすめの業界の求人に強みがあり、公開求人はもちろん非公開求人が非常に充実している点は、dodaの大きな魅力。また、企業からのスカウトメールの配信数の多さにも定評がある。
転職サイトと転職エージェントのサービスを1つのアカウントで利用できるdodaは、自分のペースで研究開発職の求人を探しつつ、エージェントが紹介する非公開求人の紹介を受け、サポートを受けながら転職活動を進めていきたい方にとって、おすすめできる転職エージェントと言えるだろう。
求人数 ※2022年3月時点 |
約16万3,126件(※非公開求人を含む) |
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拠点 | 札幌、仙台、東京(丸の内本社)、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡 |
得意分野 | メーカー、医療業界、IT・Web業界、サービス業界 等 |
おすすめポイント |
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リクルートダイレクトスカウト(旧・キャリアカーバー)は、リクルートが運営するハイクラス求人に特化した転職エージェント。年収600万円以上のエグゼクティブを対象にした転職エージェントとなっており、登録すると、レジュメを見たヘッドハンターからスカウトが届く。非公開の仕事に出会える上、登録レジュメはすべて匿名となっており、公開先もヘッドハンターのみ。企業の採用担当者にも見えないようになっているため、転職活動を知られたくない研究開発職の方にもおすすめできる。リクルートダイレクトスカウトは研究開発をマネジメントする管理職の転職に強みがあるため、研究開発職で年収アップを目指す方、さらなるキャリアアップを目指したいと強く希望している方は、ぜひ登録したい転職エージェントと言えるだろう。
求人数 ※2022年3月時点 |
約10万2,128件 他、非公開求人多数 |
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得意分野 | 医薬・製薬、IT業界、電気・機械 ほか多数 |
リクルートダイレクトスカウトの強み |
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PickUPパーソルテンプスタッフが研究開発・臨床開発支援サービス「Chall-edge(チャレッジ)」のサービスを開始
dodaやテンプスタッフの親会社でもある総合人材サービス企業のパーソルが、2019年4月から、研究開発・臨床開発支援サービス「Chall-edge(チャレッジ)」のサービスを開始しました。
Chall-egeは、研究開発職に特化した派遣サービスです。製薬、化学、化粧品、食品・飲料、エネルギー関連の企業や公的機関、大学など、研究開発に関わるあらゆる分野の配属先を幅広く取り扱っています。
また、研修制度、フォロー体制、評価制度を手厚く用意しており、クライアント企業に常駐する派遣スタッフを徹底的にサポートするシステムも整えている点もChall-edgeの魅力の一つ。Chall-edgeでは、理系人材が研究開発の現場で活躍するためのキャリアプランを一緒に考えてくれます。実績や経験が少なく、転職活動が難航している研究開発職の方は、一度利用を検討してみてはいかがでしょうか?
研究開発職は、新たな商品やサービスを産み出す上で欠かすことができない、重要な仕事です。他の職種と比較すると、転職求人の数自体は、あまり多くないため、競争率が高い傾向があります。研究開発職の転職を成功させるためには、しっかりと準備とタイミングがキーポイントと言えるでしょう。
転職を検討している方は、自分の持つスキルや経験を洗い出し、しっかりとアピールすることができれば、転職を成功させることができるはずです。
本特集でご紹介したキーポイントや研究開発に強い転職エージェントの情報も参考に、希望の条件を満たす企業への転職を成功させましょう。
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