地方への転職、成功のポイントは?UターンやIターンのメリットとデメリット、失敗する理由もチェックしよう

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地方への転職を成功させる方法とは?メリットとデメリットとおすすめの転職エージェント

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地方への転職を成功させる方法とは?

メリットとデメリットとおすすめの転職エージェント

地方への転職を成功させる方法とは?メリットとデメリットとおすすめの転職エージェント

地方への転職を希望する人が急増。20代で地方を希望する人も

働き方改革や新型コロナウイルスの影響を受けて、地方で働くことを考えているビジネスパーソンが増えています。
「健康や仕事に関するリスクを減らしたい」「自然の豊かな土地に住みたい」など、安全面や生活面の魅力から、人口密度が低く生活環境の良い地方への転職に魅力を感じる方は少なくありません。

就職情報会社「学情」が2020年4月に行った調査 (20代専門転職サイト「Re就活」の登録会員が対象)によると、「地方での転職を希望する」と答えた20代転職者の割合は全体の36.1%。2020年2月に同サイトに新規会員登録をした会員調査の結果と比較すると14.3ポイント高くなっています。
地方移住といえば、従来は、子育てや介護といったライフイベントをきっかけにミドル世代が検討するケースが大半を占めていましたが、現在は若者のあいだでも地方への転職に対するニーズが高まっていることがわかります。

地方への転職・画像

地方への転職は、地方出身者が故郷に戻って働く「Uターン」と、都市部の出身者が地方に移住する「Iターン」の大きく2パターンに分かれます。
(※その他、地方よりも利便性が高く、都心よりも住環境の良い地方都市に、首都圏から転職する「Jターン」もあります。)

今回は「地方への転職」をテーマに、移住も視野に入れて転職をする場合のポイントを解説。地方転職のメリットやデメリット、失敗する理由や成功させるための方法をご紹介します。

地方への転職、メリットとデメリットは?

環境が良く、都会とは異なる時間をすごせる地方への転職は魅力的です。ただし、何事もメリットだけということはなく、デメリットがあることもまた事実。
地方転職を目指している方は、転職を成功させるため、メリットと同時にデメリットも整理しておきましょう。

地方へ転職するメリット

  • 首都圏・都市部よりも物価が安く、家賃や生活費などを抑えられる
  • 自然豊かな環境で働ける
  • 満員電車など通勤時の苦痛が少ない
  • 移住者支援に力を入れている自治体の場合、様々な優遇を受けられる
  • 親の介護などへの対処がしやすい

地方で働く最大のメリットの1つが、住まいにかかる費用が安い点です。リモートワークで働くケースを考えると、職場の近くに住まいを持つ「職住近接」が実現しやすくなります。首都圏のように郊外から都心への通勤が不要となるため、満員電車から開放される大きなメリットと言えるでしょう。職場から多少距離があったとしても、車通勤できる職場が多い点も地方の特徴の1つです。

また、自然環境や、物価水準 ※1についても、首都圏よりも地方のほうが一般的に恵まれています。
地方自治体の中には、都会からの移住者に対して住居支援や子育て支援など様々な優遇を行なっているケースも。※2
なお、Uターンの場合は、実家の親の介護といった、家族で考える必要のある問題に対処しやすいメリットもあります。

地方へ転職するデメリット

  • 交通機関、医療機関、教育施設、文化、娯楽施設などが少ない
  • 車が不可欠のため、購入費や維持費がかかる
  • 首都圏よりも給与水準が下がる傾向がある
  • 企業の求人数・職種などが制限される可能性がある

その一方で、鉄道やバスの運行エリア・本数などが限定されており、「移動は車がメイン」という地域も少なくありません。車の購入・維持費が新たに発生する可能性型が高いでしょう。
文化施設や教育施設、娯楽施設も都市部ほどは充実していないことが多いため、移住後に考えているライフスタイルと現地の状況にギャップがないかどうかを確認することが大切です。
とくに生活インフラのなかでも重要な医療は、移住希望先の医療機関の数や病床数などをチェックしましょう。

また、職種や地域にもよるものの、都市部と比較すると、地方は給与水準が低くなる傾向があります※3
ただし、都市部の多くで平均給与が下がっている(例:東京県438万円・前年比-10万円)のに対し、地方では、平均が上昇している地域もあります(徳島県381万円・前年比+20万円、鳥取県377万円・前年比+16万円)。そのため、産業振興が活発なエリアへの転職は狙い目と言えるでしょう。

地方の平均給与・画像

なお、首都圏と比較すると、地方は企業数が少ないため ※4、求人も少なくなります。
また、漁業や農業、各種の生産工場など、特定の産業が活発な地域の場合は職種が限られるケースもあるでしょう。

地方への転職を失敗する理由とは?

UターンやIターンを決断して転職をしても、さまざまな理由から地方で働き続き続けることができず、都市部に戻ってくることもあります。
地方への転職が失敗する理由のほとんどは「リサーチ不足」に起因しています。以下のその内容をまとめているので、チェックしておきましょう。

リサーチ不足の例

  • 移住先の仕事が思っていた内容と違う(仕事面でのリサーチ不足)
  • 地方の慣習や周囲の人間関係になじめない(生活面でのリサーチ不足)
  • 思っていたよりも生活費がかかる(金銭面でのリサーチ不足)

移住先の仕事が思っていた内容と違う

地方に転職する場合、遠隔地にある企業の情報(社風や評判など)は調べにくい場合があります。
また、地方転職を機にジョブチェンジする場合は、仕事内容もしっかりと調べておかなければ、入社後に「聞いていたものと違う」といったトラブルが起きることも。
企業研究・業界研究は転職活動の基本です。転職サイトやハローワークで気になった求人は、様々な方法を駆使し、できる限り詳しい企業情報を集めてみましょう。
例えば、移住先エリアをカバーしている転職エージェントに相談したり、地元の有名企業であれば、周囲の住人に評判を聞いてみるのもひとつの方法です。

地方の慣習や周囲の人間関係になじめない

移住先のエリアが、故郷のようなよく知っている土地でない場合は、その地域の情報をリサーチすることも欠かせません。
鉄道や医療機関などのライフラインはもちろん、慣習などは地域による差が大きい部分。閉鎖的な土地柄、隣組の結託が強いなど、都心からの移住者にとっては戸惑う部分があると、環境になじめず都市部に逆戻りすることにもなりかねません。

移住先をリサーチする場合は、自治体のホームページをチェックして、可能であれば季節ごとに何度か足を運び、暮らしやすさをチェックするのがベスト。
タクシー運転手や不動産会社の営業マンといった、その土地に詳しい人に話を聞いてみる方法もおすすめです。

思っていたよりも生活費がかかる

地方特有の支出・画像

地方の物価水準は、平均すると都市部よりも低くなります。
ただし、給与水準も低くなっていることが多いうえ、車の購入費やガソリン代、雪国では冬の暖房費がかさむなど地方特有の支出もあるため、必ずしも生活費に余裕ができるとは限りません
家計がうまく回らないという理由で、地方移住をあきらめなければならないケースもあるでしょう。
移住先でのおおよその年間生活費を調べ、年収と比較して無理なく生活していくことができるかどうかを必ずチェックしましょう
転職面接の際は、現地への交通費や宿泊費、移住する際は、引越し費用も発生するため、ある程度まとまった貯蓄があると安心です。

地方への転職を成功させるためにやりたい2つのこと

地方の求人に強い転職エージェントを活用する

地方への転職が失敗する原因の多くはリサーチ不足。とくに企業の情報は、具体的な仕事内容や求めている人物像、社風、昇給制度など、外側から調べることが困難なものが多くあります。
転職が初めての場合や、現地企業の情報を集めたい場合は、転職エージェントの利用がおすすめ。
多くの転職エージェントは、「地方に転職すべきか?」といった根本的な転職相談から、現地企業の求人紹介、応募や面接に関する手続きなども任せることができます。

地方への転職を効率よく進めるためにも、幅広い情報網を持つ転職エージェントを活用し、任せられる部分は任せてしまうのも選択肢のひとつです。

リクルートエージェント

リクルートエージェント

リクルートが運営する業界最大手の転職エージェント。ほぼすべての業界・職種の求人を対象としており、公開・非公開求人あわせて20万件以上(2020年6月時点)の求人を扱う。
全国の主要都市に16の拠点を展開。Uターン・Iターン転職では、専任のキャリアアドバイザーがキャリア相談や転職サポートを提供している。
転職支援では、求人を紹介してもらえるのはもちろん、移住希望地の転職事情や、地方企業に応募する際の「志望動機」のまとめ方などを聞くこともできる。
公式サイト上にはUターン・Iターン専用のページも設けられており、地方転職にかかる費用や転職成功者の体験談を掲載しているので、参考にすると良いだろう。

Re就活エージェント

Re就活エージェント・画像

就活情報大手「学情」が運営する20代専門の転職支援サービス。求人を検索し自己応募する転職サイトのサービスと、アドバイザーが転職支援を行う転職エージェントサービスを提供。また、Web履歴書を公開して企業からのオファーを受けるスカウトサービスも利用できる。
登録者数は120万人。掲載企業は累計10,000社。サービス開始から15年の実績を持ち、東京商工リサーチが実施する「20代が選ぶ20代向け転職情報サイト」でNo.1となるなど、ユーザー満足度の高さを誇る。
未経験者OKの求人やリモートワーク可の求人も多く、20代であれば積極的に活用したい転職エージェントのひとつ。

移住先でのキャリアプラン・ライフプランを考える

移り住んだ土地に永住するつもりがなくとも、移住後の働き方やキャリアの積み方を考えておくことは大切です。結婚・子育て・親の介護・自分自身の老後など、時間軸を少し長めにとって、地方での生活をイメージしてみましょう。

現在のキャリアを活かしたいが、地方で思うような求人が見つけられないという場合は、リモートワークが可能な企業を選択肢に加えてみても良いでしょう。本社が首都圏にあっても、働き方の自由度が高ければ地方移住の希望は叶えることができます。

移住を機に仕事を変えるのであれば、どのような仕事を選ぶかも重要です。自分のやりたいこと、強みなどを洗い出して、キャリアの方向性を決めましょう。
一人ではうまく整理できない場合は、転職サイトの適職診断や転職エージェントのキャリア相談を活用することでヒントを得られるかもしれません。

地方への転職は、職場環境と生活環境が同時に変化。リサーチをしっかり行い、憧れの地方生活を実現しよう

地方への転職は、移住というステップを踏むぶん、仕事と生活のふたつの面でガラリと環境が変わります。
急な環境の変化に戸惑わないためにも、応募する企業や移り住む土地のリサーチはしっかりと行い、ミスマッチが起こるリスクを減らしておくことが重要です。

豊かな自然や人とのふれあいなど、地方は都心にない魅力で溢れています。良い土地と仕事にめぐりあうことができれば、これからの生活の質を大きく向上できるはず。

今回ご紹介した地方転職のメリット・デメリット、失敗する理由、成功のポイントなどを参考に、自身の働き方を改善する地方転職を成功させましょう。

著者
長尾 尚子

著者 長尾 尚子

フリーランスライター。得意分野は、育児・教育、住宅ローン、保険、金融、エンタメ等、幅広い。子ども2人を育児中のママでもある。
【資格】消費生活アドバイザー、FP2級