ケース別転職対策
話す内容や締め方についても解説
近年、新型コロナウイルスの影響に伴い、転職の採用面接において、Web面接やオンライン面談、オンライン会社説明会等、オンラインを利用した選考方法を取り入れる企業も増えています。なかには、Web面接の前に、採用試験や応募書類の一環として「自己PR動画」の提出を求める企業も。
「自己PR動画」は、「録画面接」とも呼ばれ、30秒~1分程度の自己PRを動画に撮り、志望企業に送る選考方法です。もともとは新卒採用やインターン採用の現場で採用されていた選考方法ですが、近年は転職の場でも増加中。
ただ実際に志望企業から自己PR動画の提出を求められると、どのように動画を撮ればいいのか、何を話せばいいのか困る方も多いはずです。
そこで、今回は「自己PR動画(録画面接)」のコツを徹底解説。事前準備の方法や、動画内で話す内容、動画の撮り方等、詳しく解説します。
本特集を参考に、対面面接やWeb面接とはまた異なる「自己PR動画」についてしっかりと理解し、選考通過を勝ち取りましょう!
まず、実際に自己PR動画を作成する前に、自己PR動画とは何か、なぜ自己PR動画の提出が求められるのか、企業は自己PR動画を通して志望者の何を見たいと考えているのか等、基本を理解することが大切です。
以下にそれぞれの項目のポイントをまとめているので、自己PR動画を作成する前にチェックしておきましょう。
自己PR動画とは、新卒採用や中途採用の選考の一環として応募者に課される、動画形式の課題です。別名「録画面接」とも呼ばれており、30秒~1分程度の自己PRを動画に撮り、志望企業に送ります。
動画で話す内容は、自己紹介や自己PR、志望動機等。特定のテーマが与えられている場合もあり、動画の内容や時間は、企業によって異なります。例えば学習塾の講師の求人の場合、模擬授業を撮影する等、実務的な内容が課せられる場合も。
特に動画の内容に指定がない場合は、「挨拶→自己紹介→強みの説明(自己PR)」の流れで話すのが一般的です。
また、動画の提出形態も企業によって異なります。大きく分類すると以下の二つに分けられます。
事前に録画した自己PR動画を提出する場合は、何度も撮り直しが可能。動画のクオリティや構成にもこだわることができるので、総合的な企画・プロデュース力が選考の判断材料になります。
一方で、企業から指定されたアプリケーションを利用してその場で録画し、自己PR動画を提出しなければならない形式も。この場合、回数制限はあるもののその場で何度か撮り直しが可能な場合や、撮影は一度きりしかできず、撮り直し不可の場合も。事前録画ができない形式の場合は、しっかりとスクリプトを用意し、何度も練習しておくことがキーポイントです。
自己PR動画(録画面接)を求人企業側が求める最大の理由は、志望者の「人柄」や「熱意」等を見極めるためです。求人企業は志望者と面接で直接顔を合わせる前に、自己PR動画を通して、書類選考だけでは見えない部分を見極めたいと考えています。つまり自己PR動画は、志望動機や職務経歴書、動画用のスクリプト等の読み上げになってしまっては、意味がないのです。
動画撮影に取り組む際は、話し方や目線、表情などに気を配り、自分の人柄や志望企業への熱意が伝わるよう、第一印象を意識して取り組みましょう。
効果的な自己PR動画を作成するには、何よりも事前準備をしっかりと行うことが重要です。
以下では、「内容の準備」と「撮影方法」の2つのポイントに分け、それぞれ詳しく解説します。
自己PR動画では、テーマに沿って話す内容をしっかりと用意しましょう。説得力のある自己PR動画を作るためには、話す内容が簡潔に整理されていること、そしてそれが転職の軸や志望動機としっかりと結びついていることが重要です。
自己PR動画の内容を決める際は、いきなりスクリプト原稿を作るのではなく、まず自己分析や経歴・スキルの棚卸しを行い、話す内容や伝えたいポイント等を整理してみましょう。
自己PR動画では、「簡単に自己紹介を含めてください」等の指示がある場合も。今までの経験や仕事内容、スキルの棚卸しを行い、整理しておきましょう。時間が限られた自己PR動画内で自己紹介をする場合は、全ての経歴を説明する時間はありません。応募職種に関連する経歴や、求められるスキルをアピールできる経験を中心に話す内容をピックアップします。職務経歴書の内容と齟齬がないように注意しましょう。
自己PRのスクリプトを作成する前に、まず自己分析を徹底的に行うことが重要です。自分のスキルや経験の棚卸しを行い、培ってきた経験に基づく強みを見つけることで、自己PRの説得力がアップします。
また、自己PRがしっかりできていても、それが企業の求めるスキルとずれていては意味がありません。志望企業が求めるスキルと合致した自分の強みをアピールできるよう、企業研究や求人票の分析も丁寧に行いましょう。
志望動機を作成する際は、自分の転職軸に従って、自分が転職で何を実現したいか、それがなぜ志望企業だと実現できるのかを具体的に考えましょう。転職軸をしっかりと掘り下げ、説得力のある志望動機を作成することができます。
自己PR動画は、限られた制限時間の中で企業が求める内容をきちんと伝えきることも重要なポイントの一つ。動画撮影に臨む前に、指定された時間とテーマに合わせて一度スクリプト原稿を作成しましょう。
自己PR動画は、最初の15秒で印象が決まります。できるだけ動画の冒頭で結論を述べ、そこから具体的な話へと展開させるのがポイント。また、30秒で話せる文字数は150〜250字ほどと言われています。あまり早口で情報を詰め込んでも、人柄や熱意、自分の魅力が伝わりづらくなるため、スクリプトは、動画の制限時間に対する文字数を意識して作成しましょう。
自己PR動画は面接と同じ。実際に動画を撮影する前に、声に出して練習することが重要です。自身の練習姿をしっかり録画し、自分の話し方や話す速度、表情をチェックしてみましょう。
自己PR動画では、内容はもちろんですが、人柄や雰囲気、熱意等もチェックされます。そのため、自分の人柄がしっかりと伝わることが重要。用意したスクリプト原稿をカンペにして読み上げる、または丸暗記して暗唱するのはおすすめできません。多少詰まったり間違えたりしても、自分の言葉でしっかりと話すことが重要です。
繰り返しになりますが、自己PR動画の練習は、実際に撮影しながら行いましょう。スマホのインカメラ等で撮影する場合は、話ながら自分の表情をチェックすることもできますが、目線が下がってしまうので、画面ではなくカメラを見ながら話すことが大切です。また動画では音声が聞き取りにくい場合も。通常よりも声のボリュームを上げ、はきはきと話しましょう。また、設定された制限時間を超えてしまったり、逆に余り過ぎてしまったりしないよう、タイマー等で時間管理を行いながら練習するのがおすすめです。
自己PR動画の中身が準備できた後は、実際に撮影するための準備を整えます。動画で話している内容が良くても、画面が暗い、雑音が入っており声が聞き取りづらい等、撮影環境が整っていない状態では、志望企業に内容がしっかりと伝わりません。
撮影機材やツールを用意し、セッティングをしっかりと行って撮影することが大切です。
自己PR動画は、静かな室内で撮影しましょう。特別な場所やスタジオは必要ありません。基本的に撮影は自分の部屋でOKですが、雑音が入らないよう注意しましょう。家族や同居人、ペットなどの生活雑音には特に注意。事前にできる限り協力を仰ぎ、静かに撮影できる環境を整えましょう。
また、自己PR動画は明るい場所で撮るのが鉄則。室内電灯が暗すぎる場合は、日中に太陽光を採光し、撮影するのもおすすめです。リングライト等の撮影機材を準備し、しっかりと明るい状態で撮影できるよう工夫しましょう。顔が明るく映るので、背景の壁は白もしくは灰色がおすすめです。
撮影環境を工夫するだけで、自己PR動画のクオリティはぐっと上がります。事前にしっかりと環境を整えておきましょう。
自己PR動画は、手持ちのスマホやPC内蔵カメラで簡単に撮影できるため、機材を一切準備せずに撮影する人も少なくありません。もしあなたが「他の志望者と差別化するため、しっかりと訴求力のある自己PR動画を撮影したい!」と考えているのであれば、撮影機材を準備することが大切です。安いもので構わないので、スマホスタンド(三脚)やリングライトを用意しましょう。その後、選考が進みWeb面接がある場合にも、これらの機材は役立ちます。
高さを七段階に調整でき、角度を自由に調整できるボール雲台を搭載。約10m離れた場所からもスマホを遠隔操作できるBluetoothリモコンも付帯しており、自己PR動画の撮影でしっかりと活躍できるスタンドです。
撮影時にリングライトを使用すると、顔に影が落ちにくくなり、肌も明るく綺麗に映ります。また、瞳に「キャッチライト」が入るため、生き生きとした印象に。
スマホを取り付けることができるホルダー付きのものであれば、撮影やWeb面接にも役立つでしょう。
撮影環境を整えることは大切な要素の一つですが、動画のクオリティが高くても中身がイマイチでは本末転倒です。自分の姿が明るくはっきりと撮影できる環境を整えたら、動画の中身に力を入れましょう。
自己PR動画では、服装や髪型など身だしなみにしっかりと気を配ることが大切です。「私服で」「自分らしい服装で」等の指定がある以外は、スーツが基本。普段の面接と同じくフォーマルで清潔感のある服装を心がけ、髪もきちんとセットしましょう。
ちなみに、前髪が顔にかかっていると、顔に影がかかり、暗い印象を与えます。特に動画では、普段の面接よりも暗く映ってしまうため、カメラでの映りや印象も意識し、身だしなみを整えましょう。
基本はスーツ。清潔感のある恰好を心がけましょう。黒など色の濃いスーツの場合はホコリ取りも忘れずに。意外と細かな部分まで映ってしまう場合も。
動画で顔が暗く映ってしまわないよう、髪の毛もしっかりとスタイリングすることが重要。前髪は眉毛にかからないように分ける、もしくは上げましょう。
女性の場合は、メイクも必須。ワントーンで統一し、清潔感のあるメイクを心がけましょう。男性の場合も、コンシーラーやBBクリーム等を利用し、肌のトーンをアップさせることで、明るく清潔感のある印象になります。
自己分析や志望動機の作成に悩む場合や、転職のプロによる客観的な指導を受けたい方は、転職エージェントを利用する方法もおすすめです。転職エージェントでは、求人紹介だけでなく、応募書類の添削や模擬面接もおこなっており、転職のプロであるキャリアアドバイザーが、プロの目線で面接をチェック。的確なフィードバックをもらうことができます。
ただし転職エージェントは、模擬面接やフィードバックを無料で実施するための会社ではありません。きちんと登録を行い、求人の紹介やキャリアコンサルティングを受けた上で、自己PR動画に関する相談をすることが大切です。
リクルートエージェントは、リクルートが運営する転職エージェントの最大手。2022年3月現在、公開求人は約39万8,200件以上(内、非公開求人:約22万7,204件以上)と、業界最大の求人数を誇っている。ほぼ全業種・全職種の求人をカバーしており、未経験職種への転職支援実績も豊富。
リクルートエージェントの特徴は、求職者一人一人に専任のキャリアアドバイザーがつき、細やかな転職サポートを行ってくれる点。求職者の志望業界や職種に特化し、知識と経験を豊富に持つキャリアアドバイザーがしっかりとサポート。サポート内容は、応募書類の添削から求人の紹介、面接対策、面接日程の調整や年収交渉まで幅広く、転職が初めての方も安心して利用できる。
幅広い業種の求人を取り扱い、転職サポートも充実しているリクルートエージェントは、転職を検討している場合、まず登録したい転職エージェントだろう。
企業ごとに指定のアプリケーションやツールがあり、その場で撮影して提出する形式の場合、特別な動画編集は不要ですが、録画した自己PR動画を送付する形式の場合、動画の構成や編集に悩む方も多いはず。
「どうしても自己PR動画の撮影が上手くいかない!」、「他の求職者と差別化するため、ワンランク上の自己PR動画を作りたい!」という方は、動画のプロに作成を依頼するのも選択肢の一つ。
自分で作成する場合と比較するとコストはかかりますが、転職は人生を大きく左右する分岐点であり、長い目でみればその費用はわずかなものです。納得できない自己PR動画を作成し、提出するくらいなら思い切ってプロに依頼してみましょう。クラウドソーシングの登場で、動画撮影及び編集コストは大幅に下がっており、約3000円~1万円程あれば、クオリティの高い自己PR動画を十分に作成できます。
以下では、編集部おすすめのクラウドソーシングサービスをご紹介します。ぜひチェックしてみてください。
オンライン上で専門家が自分の「スキル」を出品し、簡単にスキルの売り買いができるクラウドソーシングサービス。「動画制作」はもちろん、「Webサイト制作」、「マーケティング」「デザイン」等のビジネススキルから、「音楽・ナレーション」、「イラスト・漫画」等、200種類以上のカテゴリを用意し、多彩なスキルを幅広く取り扱っている。
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サービス情報や出品者のプロフィール情報をもとに、依頼したい内容に応じて購入前に見積もり依頼やカスタマイズの相談をすることができ、安心して利用できる点も嬉しい。
自己PR動画の作成に悩む場合は、ココナラを利用して動画制作のプロの手を借りるのも選択肢の一つだろう。
自己PR動画(録画面接)は、転職市場でも少しずつ増えてきている選考方法の一つです。
面接前の第一印象となる自己PR動画は、事前の綿密な準備が必須。内容はもちろん、撮影方法を工夫し、しっかりと準備することで、自己PR動画の選考通過率は確実に上がります。
自己PR動画の作成に悩んでいる方は、本特集を参考に、しっかりと準備を行い、選考を突破しましょう!
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