転職の流れ
会社を辞めたらやることとは?退職の手続きと入社の手続きについて解説
転職する際は、辞める会社はもちろん、新しく入社する会社でもさまざまな手続きが必要になります。
現在、退職や転職を検討している方はもちろん、転職先から既に内定を獲得したという方も、会社を辞める際の流れを押さえておきましょう。
12ヶ月~1ヶ月前
退職の意思表示
21ヶ月前~当日
退職届(退職願)の提出&引き継ぎ&社内外への挨拶
3退職当日
備品の返却・退職関連書類の受け取り
4入社手続き
転職先への書類の提出
※ 転職先が決まっていない場合は、ハローワーク・市区町村役場で雇用保険や年金・健康保険の手続きを行う
実際に現職から退職を決意するのは、多くの場合、応募先から内定が出たときか、転職活動をスタートするタイミングでしょう。
辞めることを決めたら、まずは直属の上司に面談を申し込み、「退職の意思表示」を行いましょう。
正社員であれば、後任への引き継ぎや新しい人員の確保も考慮し、退職希望日の2ヶ月から1ヶ月前をめどに退職希望を伝えることが望ましいでしょう。
なお民法上、労働者は退職日の2週間前までに退職を申し入れることで(退職届を提出すれば)、雇用主との労働契約を解除することができます。
ただし、業務の引き継ぎや得意先への挨拶は社会人としてのマナーでもあり、また、企業側が新しい人員を確保するにも一定の時間がかかります。
円満退社をするためにも、健康上の問題などのやむにやまれぬ事情がある場合をのぞいては、余裕を持ったスケジュールで退職を願い出たほうが良いでしょう。
上司に退職の意思を伝えて了承を得たら、退職届を提出後、業務の引き継ぎに入ります。
なお、退職を申し出る書類には「退職届」のほかに「退職願」もあります。
「退職願」とは、字面の通り、自身の退職を会社に願い出るもの。あくまで辞めたいという自分の希望を伝えるための書類なので、提出したあとも会社側の慰留や自分の意思で撤回することが可能です。
一方の「退職届」は、退職願よりも強い意味を持つ書類で、会社の意向や事情を問わず、自身の退職を一方的に通告するものです。提出し、受理された場合は、撤回することもできません。
退職の際に「退職願」と「退職届」を両方とも提出するのか、それとも「退職届」のみで良いのかは、それぞれの会社の規定や慣例によっても異なります。
上司に退職の意思表示をした時点で、どのタイミングで「退職届(退職願)」を提出するのかも、あわせて確認しておきましょう。
退職届(退職願)の提出後は、業務の引き継ぎや取引先などへの挨拶を行います。資料作りや後任への説明には、ある程度時間をとられるため、退職日や有給消化日数から逆算し、スムーズに引き継げるよう、しっかり予定を立てましょう。
取引先等の社外への挨拶は、伝えるタイミングを上司に相談するのがベター。後任が決まっている場合は同行してもらい、一緒に挨拶をするのがおすすめです。
退職当日は、会社の備品の返却と、退職関連の書類の受け取りを行います。
これを忘れると、返却や受け取りのために後日出社しなければならなかったり、郵送の手間がかかったりと、手続きが煩雑になりがち。
返す物・もらう物のリストをあらかじめ作成しておき、書類については当日受け取りができるよう、会社に依頼しておくのもひとつの方法です。
退職後に転職先が決まっている場合は、入社日にあわせて必要な物を準備しておきましょう。
書類関係では、退職時に会社から受け取った書類の一部を入社時に提出する必要があります。
また、入社後に新しい会社からもらい、記入する書類や、会社によって提出を義務付けられる書類もあります。
退職後に転職先が決まっていないときは、失業中の健康保険や年金の切り替え、生活保障のための失業給付申請などが必要になります。
転職先が決まっている場合と比較すると、自分自身で行う手続きが多くなる点に注意しましょう。
また、再就職のための転職活動も平行して行う必要があります。
退職と同時に前の会社の健康保険は利用できなくなります。そのため、次の転職先が決まっていない場合は以下の3つの方法のいずれで健康保険の手続きをすると良いでしょう。
退職すると、厚生年金も切り替え手続きをする必要があります。年金の変更手続きには以下の2つの選択肢があります。
住民税は現在、多くの会社で給与天引き(特別徴収)となっています。転職先が決まっている場合は会社同士で特別徴収の引き継ぎが可能ですが、そのまま退職する場合は、退職月によって支払いの方法が異なります。
失業給付は、会社から離職票が届き次第、居住地を管轄するハローワークで給付申請をします。離職票のほかに必要なものは、雇用保険被保険者証・身分証・写真2枚・印鑑・預金通帳(本人名義)など。
なお、失業給付は申請してすぐに給付されるわけではなく、最低7日間の待機期間があります。また、自己都合退職の場合は、ハローワークで実施される説明会や面談への参加など支給要件が細かく決まっており、申請から受け取りまでにかかる期間は通常4ヶ月ほど。
その一方で、雇用保険の受給期間途中で就職先が決まると、受給予定だった失業給付の一部を再就職手当としてもらうことができます。
失業給付を満額受給するよりも、再就職後の給料+再就職手当のほうが実質的な収入は高いことが多いので、失業給付はサポート程度に考え、次の就職先を早期に見つけるほうが良いでしょう。
雇用保険の失業給付は、いざというときの心強いセーフティネットですが、転職はブランクが少ないほど良い条件で再就職しやすくなります。
退職時点で転職先が決まっていない場合も、決して焦る必要はありませんが、転職活動はなるべく早めにスタートしましょう。
まずは転職サイトや転職エージェントに登録し、Web履歴書等を公開しておけば、自分自身が引き継ぎなどの退職手続きをしているあいだも求人を提案してもらうことができます。
効率よく転職活動を進めるうえで、ぜひとも利用したいサービスと言えるでしょう。
会社を辞めたときにどのような手続きをすればいいのかは、理解しているようでいても意外にヌケやモレが出てしまいがちです。
とくに初めて転職する場合は、退職の手続きと入社の手続きをリストアップし、おおまかな流れとともに頭に入れておきましょう。
今回ご紹介したように、退職時は次の転職先が決まっているほうが、収入面や心理面だけでなく手続きの面でもじつは有利です。
しかし、「健康面で問題を抱えている」「資格の勉強に専念したい」など、それぞれ事情がある場合は、雇用保険などのセーフティネットも活用しながら、じっくり転職先を探すのも選択肢の1つ。
転職サイトや転職エージェントなどのサポートも上手に利用しつつ、ご自身の希望とキャリアプランに沿った転職を実現しましょう!