ケース別転職対策
看護師が活躍するフィールドをチェック
看護師の資格を保有しているからといって、必ずしも病院で働かなければいけないわけではありません。実は看護師が活躍するフィールドは、医療機関から一般企業まで様々です。
そこで本記事では、看護師の病院以外への転職について、
の2パターンに分けて解説します。
看護師として病院で働いている人の中には、「もっと新しいことに挑戦してみたい」「病院以外の世界も経験してみたい」と考えている方も多いはず。
看護師の病院以外への転職事情や求人の探し方など、気になるポイントをひとつひとつ丁寧に解説しているので、是非最後までチェックしてみてください。
自身の将来像を明確にし、その実現を目指し設計した具体的な行動計画のことを指します。 看護師にはクリニカルラダーという教育制度があり、ほとんどの病院が採用しています。この制度によってステップアップを実感できている方も多いでしょう。しかし、「5年後、10年後にどう働きたいか」を問われると、答えに窮する方も少なくありません。実際、「看護のお仕事」が実施したアンケート調査によると、『明確なキャリアプランがある』と回答した看護師は29.7%に留まっています。※1
看護師のキャリアは、大学や専門学校卒業後、「最初はとりあえず病院に」と就職先を選ぶケースが一般的です。実は筆者もそのうちの一人でした。そして病院で基礎を学んだ後、一人、また一人と転職し、同期が徐々に減っていく・・・なんてことも。転職する理由は、他の医療機関に移ったり、資格取得のためだったり、結婚・出産のためだったりと様々です。そんな中、「自分は病院以外でも働けるのだろうか」と不安に感じる方もいるでしょう。ですが、その点はまったく心配ありません。病院でも、病院以外でも、看護師資格を使っても、使わなくても、きっと新しい職場でも活躍できます。看護師は、資格取得を目指した時点で職業が決まってと考える傾向がありますが、どこで働くかは自由なのです。この点を覚えておくと転職を進める心持ちが随分楽になります。この機会に「どこで働くか」の選択肢を整理してみましょう。
病院は看護師の主戦場。病院で働き続けることも素晴らしい選択です。この場合の代表的なキャリアプランには、以下の3つがあります。
1 ジェネラリスト
日本看護協会は、ジェネラリストを「経験と継続教育によって習得した暗黙知に基づき、その場に応じた知識・技術・能力が発揮できる者」と定義しています。もしあなたの職場に「なんでもできるスーパーナース」がいたら、その方がまさにジェネラリスト。特定の領域に限定せず、幅広い知識と技術をもつ人のことを指します。
2 スペシャリスト
特定の専門分野に関する深い知識・技術・経験をもつ人のことを指し、資格取得を目指すのが一般的。臨床だけでなく、部署や病院全体のレベルアップを図る上でも欠かせない存在です。身近に専門看護師や認定看護師などの資格を持っている人がいたら、キャリアについて話を聞いてみると良いでしょう。
3 マネージメント
いわゆる「管理職」で、看護師長や看護部長を目指すのがこの道です。看護管理者研修や施設長資格認定などを受けつつ、一つの職場に長く勤めるのが一般的。まだそこまでイメージし難い場合は、主任や副師長といった役職を目指すのも選択肢の1つです。
以下の「看護師資格が役立つ転職先」で具体的な職場を紹介します。病院から離れる分、「医療」の要素が薄まり、「保育」「美容」「介護」など、他の領域の特色を楽しむことができます。病院での経験を活かすことができ、資格が評価され、安定的な給与が見込める点がメリットです。
以下の「看護師資格が問われない転職先」で例を紹介します。新しい職種がより自分にフィットするケースや、看護師の平均給与の上限を超えられるケースも。ただ未経験の仕事への挑戦は、素養や経験などの武器がないため、難易度は上がります。イメージしているやりたいことと、現実的に手に取れる選択肢の乖離で悩むリスクもあります。
1 どれくらいの人が病院以外で働いている?
約30%(「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」より)
看護師の就業先で最も多いのは、やはり病院で67.8%。病院以外の診療所や訪問看護ステーション、その他を含めた合計の割合が32.2%です。 「看護師=病院」というイメージが強いですが、実は3人に1人は病院以外で働いている計算に。
2 何年目での転職が多い?
5年目まで(医療労働 臨時増刊号「看護職員の労働実態調査報告書」より)
看護師の勤続年数を調べると、多いのは「5~10年未満:19.4%」。5年未満で離職している割合は37.9%にのぼります。
注意点:求人の中には応募条件に「3年以上の臨床経験」を求めるケースも。3年未満で辞職する場合は、転職時の選択肢が狭まるリスクも考慮しておきましょう。
3 病院以外だと給料は下がる?
職種によるが、平均年収は同程度
看護師全体の平均年収は「508.1万円」。(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より)病院以外の職種での平均年収は400〜500万円台が目安です。美容クリニック(約500〜600万円)など、中には年収UPが期待できる職場も!
病院以外で、看護師としての経験や資格が役立つ職種を5個紹介します。さらに、気になる平均給与を一覧でまとめました。
職種 | 平均給与 |
---|---|
クリニック | 約382万円 |
美容クリニック | 約500〜600万円 |
訪問看護 | 約450〜500万円 |
介護施設 | 約455万円 |
障がい者福祉施設 | 約300〜500万円 |
さらに、病院以外で「小児科」経験が役立つ職種も6個紹介します。
職種 | 平均給与 |
---|---|
小児クリニック | 約370万円 |
私立保育園 | 約408万円 |
公立保育園 | 約476万円 |
障害児保育 | 約367万円 (※1) |
特別支援学校 | 平均時給1,583円 (※2) |
乳児院 | 約350万円 |
看護師資格を活かし転職する場合は、希望する条件を決めた上で、その優先順位を決めておくと良いでしょう。「これがやりたい」だけでなく、「これはやりたくない」をはっきりさせておくと、いざという時の迷いが減り、判断しやすくなります。
筆者が転職時に設定していた条件も具体的にご紹介します。
初めて転職する看護師向けに手厚いサポートを提供。無料会員登録後は履歴書の添削や模擬面接、各種交渉代行などのサービスを全て無料で利用できます。サイト内の「転職ガイド」では、体験レポートや志望動機例文集など、転職に役立つ様々なお役立ち情報を入手できる点も大きな魅力です。
異業種への転職を目指す際、職種によっては未経験だとハードルが高い場合もあります。しかし、業界を「医療」に絞れば、看護師としてのアドバンテージを活かすことができるでしょう。ここでは、看護師の経験がプラスに働く医療業界の3つの職種をご紹介します。
1 CRC(Clinical Research Coordinator)
CRCとは「治験コーディネーター」のこと。治験に関わる医師、患者、医療機関、製薬会社などで構成するチーム内の調整が主な仕事です。業務内容は、各種連絡や資料作成といった事務作業から、被験者となる患者の相談窓口まで、多岐に渡ります。「病院は辞めるけど、患者さんとの関わりは得意!」「新しい薬に興味がある」という方におすすめの仕事です。
2 MR(Medical Representative)
MRは製薬会社に所属し、医師や薬剤師に向けて医薬品情報を提供する仕事で、営業職に分類されます。担当の医療機関(病院、クリニック、薬局など)を訪問し、関係者の要望をヒアリング、自社の医薬品を採用してもらうことが主な業務内容です。医薬品の品質・安全性に関する説明や、効果・副作用に関するヒアリングを行い、結果を報告書にまとめる役割も担います。「先生とのコミュニケーションが得意」という方にぴったりの仕事です。
3 医療系ベンチャー企業
ベンチャー企業とは、主に新規事業を取り扱う、設立数年の新興企業のことです。事業拡大のために、医療業界の知見を持った人材を募集しているケースがあります。未経験の職種であっても、ポテンシャルを評価し、採用される可能性は十分あるでしょう。「変化や挑戦を楽しみたい」「冒険したい」という方におすすめです。
「看護師資格を使わない場合、様々な仕事の中で、「自分が何をやりたいか分からなくなる」悩みに直面することがあります。そういう時は一度立ち止まり、自己分析に取り組みましょう。看護師にとって馴染みが薄いかもしれませんが、一般的には新卒での就活時に誰もが一度は取り組みます。一般の職種への転職を目指すのであれば、この機会に自己分析しておくべきでしょう。新しい仕事を探す際の良い判断材料となるので、ぜひ参考にしてみてください。
大手転職サイトdodaが運営する医療業界専門の転職支援サービスです。MR、医療機器営業、CRCなど、12,000件以上の幅広い求人を取り扱っています。同社でエージェントサービスも展開しているため、専門スタッフからサポートを受けることも可能です。
未経験の仕事に就くことは勇気がいりますが、新しい一歩を踏み出した先には、きっと素晴らしい経験が待っています。もし転職先の仕事が合わなかったとしても、また病院に復帰できる可能性が高いのも看護師の大きな強み。国家資格を保険にして、思い切って新しい世界に思い切りチャレンジするのも選択肢の1つです。
未来は可能性に満ちています。本記事を参考にして、自分にぴったり合う仕事を探しましょう!
本サイトにはプロモーションが含まれます。